第5話

 チチチッ

鳥のさえずりが聞こえてきた。夜明けが近づいてきたのだ。その頃シンは…。


 「スヤー」寝ていた。


 唐突に外から大きな音がした。

 「むにゃむにゃ、ハッ!僕ってば寝ちゃってた。それにしても、今何か大きな音がしなかった?気のせいかな~?念のため見に行ってみるか~!」重たい目蓋を擦りながらシンは出入口の方へ向かった。


 「ナニこれー!」


 そこに在ったのは、ナニやら大きな箱。それこそ大人が五人ほど入れるような大きさだ。


 「これってもしかして、神様からの僕へのプレゼントかなー?ナニが入ってるんだろう?気になるなー。こんなに大きな箱なんだ、少しくらい中身が失くなってても気付かないよね?それに考えても仕方ない!思い立ったら即行動!さーって、中身はナニかな~?」


 警戒心とは無縁の性格ゆえか、明らかに怪しい箱を空けていくシン。


 「うわー!」


 突然出てきた5人の男たちに箱の中に押し込められてしまった。


 「へへッ。悪いなボウズ。別にお前に恨みはないが時間までおとなしく寝ててもらおうか?どうした、震えてるじゃないか?安心しろ、抵抗しないならお前に危害を加えるつもりはな…い…」

 「おい、どうした?何があっ…」

 

 ナニが起こったかわからないまま二人の男が死んだ。もちろん殺ったのはシンだ。

 一人目の男はナイフで首を切られ、二人目は投げつけられたナイフが眉間に刺さった。


 「あーぁ、どんなプレゼントがあるのかと思ったけど、残念だなー。」


 残った三人の方に振り返ったシンの顔はかつてないほどに…。


 (なんだ?こいつ。おいおい、マジかよ。あの二人が殺られた?組織の中でも強い方だぞ。これは、逃げなきゃヤバい。)

 「二人とも、早く逃げ… ゴフッ、」足が急に覚束なくなった。声を出したいのに口からでてくるのは血だけ。二人に早く逃げろと伝えたいのに、それは叶わないまま意識はなくなっていった。

 「もう死んじゃった。残念。次はどっちにしようかな~?どちらにしようかな~!」

 

 シンの腕をナニかがかすめた。紅い線がシンの白い腕にはいった。

 「そこから動くな!おとなしく…ヒュッ」

 (ぐ…苦しい。)

 

 「おまえ、よくも俺に傷をつけてくれたな?おまえはただでは死なさない。そのためにはまずもう一人を始末しなくちゃな?」

 後ろを振り返ったシン、その直後、もう一人の男が死んだ。色々な箇所に切り傷があり、その傷から地が吹き出した。

 (ナニがおきた?全然見えなかった、だめだ、次元が違いすぎる。)


 「さて、あとはおまえだぞ?」


 

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