第40話 匿名電脳チャットルーム/新しい先生について その42

ストーキングパンツァー

「先生の肉体、えっち過ぎるだろ!!!!」


名無しさん

「完全同意だなあ……」


名無しさん

「生肉ありのサイボーグ男子、なんでいないの……?」


名無しさん

「生殖機能取っちゃうのやめて……、やめて……」


名無しさん

「慰安用アンドロイドと結婚してる男さんほんときらい」


名無しさん

「まあそりゃ、私達もイケメンがたくさん出るゲームとかやるけどさあ……」


ストーキングパンツァー

「大体にしてAIに何であそこまで入れ込めるか分からんですよ!」


名無しの情報処理部

「最悪のAI『光芒』の暴走を受けて、一定レベル以上のAIは国際法で禁じられてます。だから、慰安用アンドロイドも、あまり頭の出来はよろしくないのですが……」


名無しさん

「あんなのほぼ人工無能だよー!なんであんなのと本気で恋愛できちゃうの?!」


名無しの哲学部

「んー……、でもさ、人間も同じようなもんじゃないかな?特定の刺激に対して、嬉しいとか悲しいとかの反応を返すチャットボットに過ぎないかもしれないよ」


名無しさん

「そういう難しい話は今してないんだよー!!!」


名無しの軍学部

「慰安用アンドロイドは、限りなく人肌の温もりに近くなるように質感を調整されてますからね。触れ合いによるストレス低減効果があれば、あとは何でも良いのでしょう」


名無しさん

「うぎー!顔の可愛さは人によってセンスが違うから何とも言えないけど、精神の可愛さも知能も私の方が上なのに〜!」


名無しさん

「自信過剰では?」


名無しさん

「は????」


名無しさん

「はーい、喧嘩はやめてねー」


名無しさん

「どれもこれも『光芒』が悪い!あいつがいなければ、今頃は人と変わらない知能を持つAIが人間と恋愛する夢のような世界になっていたのに!そしたら私もイケメンに囲まれていっぱい優しくしてもらえてたのに!!!」


名無しの文学部

「それ、恋愛って言わないと思うよ。相手に一方的に奉仕させる関係は、恋でも愛でもないよ」


名無しさん

「正論は効くからやめて?」


名無しさん

「でもあの人、お金持ちなんでしょ?玉の輿とか最高!」


名無しの料理研究部

「そう言えば、お願いしたらご飯奢ってくれたよ〜」


名無しの工学部

「あとは!!!!貴重な機械の類も!!!見せてくださいました!!!!」


名無しのアイリス学園風紀委員会

「ああ見えて結構優しいところあるわよ。まあ普段は、生徒に欲情するし、私生活はだらけてるし、ギャンブル好きだしダメダメな奴なんだけど。そういう男はやっぱりしっかりとした女の人が支えてあげるべきだとは私は思うのよね。というかむしろ、そういうダメな男を許すところというか受け入れるところが女の度量なのかなって最近思ってきたわ。お金の管理とかも全然しないものあの人は。私はまだ十七歳だけど、そこそこ人生経験は積んできた方だし、私みたいなちゃんとした数字に強い女の子がちゃんとお財布の管理とかしてあげるべきだと思うのよね」


名無しさん

「あっ……、っす……」


名無しさん

「はい……」


名無しさん

「そうですね……」


名無しの風紀委員会

「何?なんか文句あるの?」


名無しさん

「いや、ないっす……」


名無しさん

「っす……」


名無しさん

「ま、まあでも!男の人はやっぱり稼いでナンボだよね!」


名無しさん

「えー?今どきそんな時代じゃないでしょ?家父長制なんてもう流行らないよ」


名無しさん

「私は逆に、相手を養いたい側だなー。私が稼いで、パートナーにはゆっくりしててほしいかも」


名無しさん

「うーん、私は一緒に同じ職場で働きたいな。飲食店の経営とかしたいかも」


名無しの黒狐

「ゲームショップ経営とかしたいネー。同じ趣味を持つ異性のパートナーとか良いワー」


名無しさん

「そういう夢の話ならやっぱり、綺麗な湖の見える湖畔で小さな家と、大きな白い犬を飼ってだね……」


名無しさん

「ないわー(笑)!いつの時代のテンプレよ?!」


名無しさん

「綺麗な湖なんて、今時は環境保護区でしょ(笑)家なんて建てられないわよ(笑)」


名無しさん

「もーーー!!!別に良いでしょ?!妄想するだけならタダなんだからっ!!!」


名無しさん

「まあでも、憧れるのは分かるわ〜。私も、文明から切り離された土地で穏やかに暮らしたいもん」


名無しさん

「まあ私みたいな先天疾患持ちは、サイバーウェアがないと即死ぬんで、科学文明がない土地では生きていけないんですけどね」


名無しの工学部

「私達の肉体は、月に一回のメンテナンスがなければ正常に動作しませんからね。文明から切り離されては生きていけませんよ」


名無しさん

「特級ナノマシンのサイバーウェアとか、バイオニック的パーツが増やせればなあ……」


名無しさん

「無茶言わないの。私達みたいな試験管生まれには、国からもらえる最低限のお金以外は自分で稼ぐしかないんだから」


名無しさん

「海外とかもっと酷いらしいしねー。まだ、日本に生まれるだけマシよ」


名無しさん

「でも、こんな風に、整備が必要なサイバーウェアをつけられるのって、国からの首輪ってことよね?」


名無しさん

「嫌なら稼いでサイバーウェアを換装して、国に命を握られなくても良いようにしろってことでしょ」


名無しさん

「はぁ……、やっぱりお金かぁ……」


ストーキングパンツァー

「くっ……!ちょっと見ないうちに、スレが暖かな雰囲気に……!あんた達はもっとジメッとした性的な話とかしないの?!」


名無しさん

「しないです……」


名無しさん

「マジでキモい」


ストーキングパンツァー

「えっちな妄想は?!」


名無しさん

「するけど……、別に内容をカミングアウトしたりはしないわよ」


ストーキングパンツァー

「じゃあ私の妄想を聞いて!私はまず×○*☆→¥$……」

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