第39話 匿名電脳チャットルーム/軍ヲタ部屋 その224

スレ主:軍ヲタン

「とりあえず、例の先生の戦闘中動画まとめをうぷろだにうぷっときましたー!」


名無しさん

「うぽつ」


名無しさん

「うぽつー!」


名無しさん

「このうぽつってなんなの?」


名無しさん

「あー、電子掲示板の頃の名残らしいよ」


名無しさん

「電子掲示板って何?」


名無しさん

「今私らはこのVR空間で仮想アバターを通してリアルタイムで話し合ってるじゃん?でも昔は、パーソナルコンピュータっていうモニターに文章を書いてやりとりしてたんだって」


名無しさん

「うぇー?!何それ?!わざわざ物理コンピュータの前で相手が答えてくれるの待つの?!」


名無しさん

「そうそう!馬鹿みたいだよね!」


軍ヲタン

「オイィ!話が逸れてるんだよ!ここは先生のことを考察するスレだぞー!」


名無しさん

「ごめんなさーい」


名無しさん

「ごめんなさーい」


名無しの闇鴉

「ごめんなさーい」


軍ヲタン

「よーし、じゃあ、早速考察していくよ!」


軍ヲタン

「まずここ。多重認証!図書委員によると『神曲』の一節らしいよ」


名無しさん

「神曲って?」


名無しの図書委員

「簡単に言えば、『地獄巡り』の物語です。古典文学ですね」


名無しの図書委員

「ここは、地獄の門に入る時の場面で、『この門をくぐるものは一切の希望を捨てよ』と言っています」


名無しさん

「……どういうこと?」


名無しの図書委員

「……地獄にご案内するぜ!ってことかなあ?」


名無しさん

「怖〜……」


名無しの闇鴉

「俺……いや、先生は多分何も考えてないと思うよ」


名無しさん

「そんなことある?」


名無しの闇鴉

「単純に好きだからとかじゃない?」


名無しの図書委員

「確かに、先生のお家には、かなり古い本とかがあるとか……」


名無しさん

「あー、何だかレトロ系が好きとか言ってたよね」


名無しの黒狐

「それ本当?レトロゲーム部の顧問に……!」


軍ヲタン

「まあとにかく、このレベルの多重認証は普通はあり得ないんだよね。戦艦でも動かすのか?って感じ」


名無しさん

「そうなんだ」


名無しさん

「まあ、確かに、あの強さは戦艦並みかも……」


軍ヲタン

「本当にね!!!どうなってんのあれ?!軍隊はあくまでも軍『隊』なのに!一個人で歩行戦車を格闘戦で仕留めるんじゃないよ!!!」


名無しさん

「なんかもう、『覆面ライダー』みたいだったよね」


名無しさん

「まあ確かに、変身したしね!」


名無しの特撮部

「個人的にはめっっっちゃ好き」


名無しさん

「男の子ウケしそー」


名無しの闇鴉

「でも、ヒーローっぽいデザインじゃないけどね」


名無しさん

「まあそれはそう」


軍ヲタン

「だーから!軍隊は、たった一人のライダーがいればどうにかなるとか、そんな簡単なもんじゃないの!!!もっと各部隊で連携とかして、補給も確保して……」


名無しさん

「じゃあ、特殊な兵士ってことなんじゃない?」


名無しさん

「……もしかして、『サムライ・コマンド』?」


軍ヲタン

「サムライ・コマンドの可能性はあるけど……、それなら、強化外骨格(エグゾスケルトン)を着てなきゃおかしいよ!生身であんな真似は……!」


名無しさん

「……生身のパーツ、あった?」


軍ヲタン

「んんん……、なかったけどぉ……!」


名無しさん

「アンドロイドなのかなあ……?」


名無しの工学部

「アンドロイドなら、個人IDの末尾に-Androidと付くはずよ。フルカスタマイズサイボーグの類だと思うわ」


名無しさん

「あー。生外皮、鉄内骨格、生臓器って感じ?でもそれだとしても、サイボーグ化率60%余裕で超えるわよね?」


名無しの工学部

「そうね。だから、確実に上級のサイボーグだと思うわ。多分、サムライ・コマンドの隊長クラス……?」


名無しさん

「そんなレベルが学園都市に来る?」


名無しの工学部

「いや、それは分からないけど」


名無しさん

「でも明らかにあの人、軍部の上級クリアランスを持ってるよねえ……」


名無しさん

「噂によると、サムライ・コマンドへの推薦権も持ってるらしいし……。佐官級?」


名無しの闇鴉

「特務佐官級なんじゃないの?」


名無しさん

「そんなことある?特務階級って、アクセス権限は実質的にその分野の将官クラスだよね?特務佐官とかそもそも存在するの?」


名無しさん

「ナイナイ!あり得ないって!」


軍ヲタン

「特務佐官?!あはははは!そんな、漫画やアニメじゃないんだからさ!さっきも言ったけど、戦争や軍隊じゃ、数の多さと質の平均こそが力なんだよね!軍隊にたった一人だけ超強いスーパーマンなんていないの!分かりゅ?」


名無しの闇鴉

「もしかしたら後三人くらい居るかもよ〜?」


軍ヲタン

「中々面白いギャグね!」


名無しさん

「あはははは!」


名無しさん

「あはははは!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る