第7話
春樹はレイリアに着いた。やっぱりボスの魔法は心地いいな。そんな風に考えながら中に
入っていく。
春樹の両親は俗に言う毒親だった。親の操り
人形のように扱われ、自分のやりたいことも
まともにさせて貰えなかった。そのため高校に上がり、そのストレスが爆発して見事に
グレた。そんな時、両親が亡くなった。それを機に春樹は苗字を捨てた。その時春樹は18歳だった。だが、お金がなく学校を辞めようとした時に10歳の燈彗と出会いその時不安定だった亜挫魅で保護し、何とか学校に行けていた春樹。だが、グレていた春樹は毎日喧嘩に明け暮れていた。それでも燈彗も零夜も何も言わずに怪我の手当をしてくれていた。ずっと燈彗達は、春樹の心配ばかりしていた。春樹がダメなことをしたら真剣に叱り、いいことをしたらこれでもかと言うほどに褒めた。春樹が喧嘩を売った時は燈彗が真剣に何度でも相手になってくれていた。もはや、燈彗と零夜は春樹にとって親のような存在だった。それには年下も年上も関係なかった。燈彗と零夜の人柄に感銘を受けた春樹は今までとは別人のように勉強を頑張るようになり、亜挫魅の仕事を手伝うようになった。春樹は今まで燈彗と零夜にしてもらった恩を返すために燈彗達、亜挫魅という組織に忠義を尽くしている。
他の皆もそんな感じだろう。
(時々、両親のことを思い出して眠れない夜があるその時は燈彗さんがくれたネックレスをつけたら信じられないくらいよく眠れる。次の日燈彗さんは俺の少しの違いに気づいてくれ、
休みをくれたり一緒にゲームに付き合ってくれたりする。俺は、この組織のためなら死んだっていい)
そう考えるくらい春樹は亜挫魅が大好き
なのだ。そして、春樹が少しだけ過去に浸っていると大暴れしている酔っ払いを発見した。
春樹は殺意マシマシで店員を殴ろうとする酔っ払いの腕を掴んだ。そして元ヤンである春樹のドスの聞いた声が店内に響き渡る。
「おい、よくも俺らの島で好き勝手にしてくれたな。こんなに店をめちゃくちゃにして許されると思ってんのか。あぁ?」
「なっ、なんだよ!ちょっと遊んでただけじゃねぇかよ!それに俺に指図するんじゃねぇよ。俺らあの楼威啊の幹部だぞぉ?それにA級だぞぉ」
そう酔っ払いがイキる。その後ろでそうだそうだァー!と合いの手を送るだけの猿までいる。
春樹はイキってる酔っ払いを掴んでいる腕を
握力だけでへし折った。無論、能力も魔法も
使っていない。使うほどの相手ではないと考えたのだ。骨を折った酔っ払いは先程までイキリ散らかしていたのに今は腕を抱えて床に転がり回っている。滑稽なものだな。
「ああああああああぁぁぁあああああああ!!
き、貴様っ!!何すんだよっ!!?」
「何って折ったんだよ。腕をな?そんなことも
分かんねぇの?」
「お前っ!!兄貴に何すんだよっ!?」
そういい合いの手していた取り巻きの1人が能力を使おうとした。春樹はその前に取り巻きを能力を使い両腕を凍らせて無力化した。これが
春樹の能力だ【氷を操る】それが春樹の能力だ。春樹は能力で言うとA+だ。階級のことはまた後ほど説明しよう。そして、2人を担ぎ上げて店長に話しかけた。
「店長、終わりました」
「お、おぉ!春樹くん、君はこんなに強かったのか!また飲みに来てくれ。サービスするから」
「はい、そうさせてもらいます!...それより、店がこんなにめちゃくちゃに...すみません。
もっと早く来れば...」
春樹は心の底から謝った。亜挫魅共々この飲み屋にはよくお世話になっている。そのため、春樹はもっと早く助けることができなく申し訳なし悔しいのだ。すると、店長はそっと春樹の肩に手を置きかすり傷を負いながらも優しく
微笑んだ。
「何、これくらいで済んだのは春樹くんと指揮をとってくれた君のボスさんだ。本当に感謝しているよ」
「.....そう言って頂き嬉しいっす!あ、俺は魔法で直せる程..魔法を扱えなくて。...なので、ボスが怪我も含めて直しに来ますので申し訳ないですがそれまでこの状態で待っててください」
「あぁ、わかった。それにしても敬語上手くなったね」
「ほんとですか!?俺、頑張って練習したんすよ!」
店長は嬉しそうに肯定してくれた。春樹は
ご機嫌で店長に挨拶をして2人の処理をしに
行った。
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