第8話
そして、人が来ない路地裏で5人を地面に叩き
つける春樹。5人を痛そうにしていたがそんなのお構いなしに腕を折った奴は逆の腕を踏み付けそれもへし折った。無論、泣き叫んでいたが春樹はどこからかガムテープを出して口につけた。もちろん取り巻きも一緒である。その後、痛みに悶える奴を放っておき取り巻きの方を向き直り、さっきと同じように両腕(肘の真ん中の部分)をへし折った。
「.....これで、終わるとでも?まぁ、良かったな。ここに来たのが俺で。ボスとか副ボス..いやカシラで、いっか。本人はそう呼ばれて欲しそうだし。まぁ、俺らのボスとカシラだったらお前ら完全に終わってたな」
そう冷たく言い放ち、5人ともを両肩、両膝(膝小僧)、両ふくらはぎ、両太もも、腰とへし折って行き最後は首をへし折った。血は流さなかったため春樹は能力を全員分解除し、もう動かなくなった5人に背を向けた。無論、死は確認している。春樹は燈彗の個人携帯にメールをして拠点の玄関まで燈彗に教わった転移魔法を使い帰った。
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時を遡り燈彗は楼威啊の拠点の目の前に来た。当の燈彗は今久しぶりに後のことを気にしなくても良い相手を見つけて上機嫌だ。なぜなら、楼威啊の皆は全員生かすつもりは無いためである。唯一気にしなくてはいけないのは、死体の処理についてだ。その死体には絶対に亜挫魅の痕跡は残してはならない。もし残してしまったら警察に危険視され、動きずらくなってしまう。そのため、知り合いの闇医者がいる病院に行き死体を渡して買い取って貰っている。だが、闇医者に渡す間は多くの死体を収納する物が必要なのだが燈彗には問題は無い。なぜなら燈彗は空間魔法が使えるため死体を入れる場所には困らないのだ。この魔法は、極めて高度な魔力操作や多くの魔力が必要になる。なので空間魔法は、燈彗が知っている中で燈彗と零夜、この国の王族達、宮廷魔法師、後は亜挫魅の構成員達の数人だろう。そんなことを考えながら楼威啊の拠点の正面の入り口に入ろうとした瞬間、燈彗の個人携帯が通知で震えた。燈彗はタイミングから考えて春樹だろうと考えながら携帯を取り出し内容を確認した。春樹ならこれくらいの速さに終わらせてくれるだろうという信用からくるものなのだ。燈彗は周りに警戒しながらメールを見た。予想通り春樹からだった。内容は端的に言うとちゃんと息の根を止めたようだ。だが、死体はその場に置いて来たようだ。もちろん認識阻害の魔法をかけている様子だった。春樹曰く、今の魔力量では空間魔法を使いづらいと判断したようだ。そのため死体を放置した場所付きでメールに送ってくれていた。ちなみに言うと、空間魔法は入れる時、取り出す時、作る時、広げる時、閉じる時、にしか魔力を使わない。そのため、死体を何日..いや、何年入れていても魔力は減らないし死体は死んだ時のままの状態だ。なので空間魔法は高難易度だが頑張って使えるようになるに越したことはない程に便利な魔法なのだ。燈彗は、何故か春樹の成長に喜んで感動していた。
「あんなにグレてた春樹が...きちんと報連相が出来るようになったのかぁ。やっぱり春樹はすごいな!敬語もしっかり使いこなせるようになってるし」
などと年上の1人の構成員に向けて考えることではないことを思う燈彗。もはや、考え方が親のそれである。燈彗は上機嫌で春樹にお礼のメールを送り携帯をポケットに突っ込んだ。そして、先程まで大事な
『ハンドルネーム』というやつである。そして燈彗と零夜が本名で名を名乗ることは絶対にない。...いや、名乗れないのだ。燈彗が自分にそう
制約しているのもあるが、『今の最強』が燈彗と零夜を嫌っているためである。もし、復讐が完遂していない状態で燈彗と零夜の正体が世間にバレたら『今の最強』はまたあの時のような行動をするだろう。本名を名乗れる時が来たらそれは復讐...ある人物の目の前に立ち、そいつの首に刀の刃を触れさせる時だろう。燈彗は、懐から1本のナイフを取り出しクルクルとナイフを
「そろそろ、行くか。店長..は心配ないと思うが俺には違う用事もあるしな」
燈彗は、そう言い門番がいるだろう正面の入り口へと向かう。
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