第6話

燈彗も顔を隠して行こうとした時、零夜に話しかけられた。


「ちょっと!燈彗!あんたはボスなんだから僕が行くべきでしょ!」


「.....俺は楼威啊を潰してレイリアの備品を直した後に情報屋に合う。俺の仕事は全てしておいた。後で一緒に確認しよう。お前はまだ終わってないだろ?」


「え、うそぉ!?あの書類の山全部終わったの!?僕なんて..まだ半分も終わってないのにぃ」


零夜は泣きそうになりながら言った。燈彗は

その零夜の様子にため息を付き手伝うことにした。無論楼威啊を潰してやることを済ませた後だがな。


「.....全てが終わったら手伝う。3分の2をする

そしたら同じ時に終わるだろ?」


「うぅ、でも申し訳ない...。燈彗の方が難しい

仕事してるのに..」


零夜は何か勘違いをしているようだ。燈彗が...

いや、裏社会で暗躍している組織のトップ亜挫魅のボスである燈彗が簡単にタダで手伝う訳がない。それは、いくら大事な家族でも同じだ。燈彗は他人には優しく(必要以上には優しくしない)自分にはすごく厳しくを信条としているのだ。


「はぁ、別にタダで手伝う訳ねぇだろ?副ボスであるお前にも大事な仕事を与える」


「!!それはなんですか!?ボス!」


零夜はキラキラした目で見る。あれ?こいつ

仕事が好きなキャラだっけ?まぁ、いいか。

燈彗は零夜にボスと呼ばれるのに慣れていないためかムズムズする気持ちを抑えて今思いついた大事な仕事を零夜に言い渡す。


「いいか?お前の仕事は構成員全員分の飯を作ることだ。俺が作ろうと思ったが予定が入ったからな。お前らも零夜の手伝いをしてやつまで

くれ。希子と燐は特にみんながケガしないように見ててくれ」


「「「「「はい」」」」」


元気に返事をする構成員達。しのぎから帰って来た者達まで返事をしていた。真面目だなーしのぎ言ってた組はゆっくりすればいいのに。


「え?燈彗、それくらいでいいの?」


「あぁ、そろそろこいつらの飯の時間が近いからな。待たせるのもこいつらが可哀想だし」


「そっか、わかった!頑張る!」


「「「「「零夜さん!手伝います!!!」」」」」


「あぁ、ありがとう!!みんな!」


そして、零夜含め構成員達は自分達が出来そうなことを全力でやりに台所へダッシュして

行った。だが、希子だけは燈彗のお見送りに

来てくれた。やはり希子はいい妻になりそうだな。希子は真面目でマメなため雑用は希子にしてもらっている。無論全員でしているが、

ほとんどみんな希子に部屋かリビングに追い

やられるのが日課だ。


「いってらっしゃい!燈彗さん!気をつけてくださいね?」


「あぁ。...あ、そういえば..希子は1週間後誕生日だろ?誕プレ零夜と一緒に買いに行こう」


「え!?いいの!?あ、いいんですか?」


「あぁ、その日は希子の大事な日だからな。その日はみんなしのぎは休みにしてみんなで過ごそう」


燈彗がそう言うと希子が嬉しそうに顔を赤らめた。当の本人はそれに気づいていないが。燈彗と零夜はこういった誕生日や大切な日を全員分

しっかり覚えている。スマホのカレンダーに

書き込んでおり、絶対に忘れないようにして

ある。


「じゃあ、その日は去年以上に楽しい日に

しよう!みんなにも言っておくから!」


「はい!嬉しいです!」


「そうか、なら良かった」


希子もこの組織全員親に捨てられていたり天涯孤独の者がほとんどだ。しいて言うなら燈彗や零夜もそんな感じなのだ。そのため、全員他人の者の気持ちが分かる人間が多い。この組織を作ってよかった。燈彗はそう考えながら、

ここ..亜挫魅の拠点を出た。

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