69. FLESHGOD APOCALYPSE『Opera』(2024)

今回は、筆者が最も信頼を寄せる現役バンドの一つをご紹介します。


メタル先進国であると同時に、古くからクラシック音楽の本場でもあるイタリアが生んだ、シンフォニック・デスメタルの旗手FLESHGOD APOCALYPSEの新作です。


強固なコンセプトのもとに、傑作を生み出し続けるのはバンドの2大フランチェスコ。

あらゆる楽器を本職顔負けに弾きこなすフロントマンFrancesco Paoli(Vo./Gt./Ba.)と、オーケストレーションも担当するピアニストFrancesco Ferrini(Pf.)です。


全力のデスメタルと全力のクラシックが正面衝突。本来混じり合うことのない光と闇が分かち難く融合した、世にも稀なる音楽性の狂宴に、今宵も酔い痴れましょう。



◆FLESHGOD APOCALYPSE『Opera』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/1dDS9EG35qdgeshBzEP2ja?si=2zrGPhXOSDyGwD33hYemzQ


5年ぶり6thフル。オリジナルベーシストの脱退、新ドラマー就任を経ても、孤高の音楽性にいささかの揺るぎもなし。さらに研ぎ澄まされた作曲と演奏に圧倒されます。


特徴的なクリーンヴォーカルが作風を支えていたPaolo Rossi(Ba./Vo.)の脱退は痛手に思えましたが、オペラヴォーカル担当Veronica Bordacchini(Vo.)の多彩な表現力は、そんな心配をカヴァーして余りある活躍を見せています。



☆「I Can Never Die」


https://www.youtube.com/watch?v=dJNLVywVJ1U


イントロ明けから鬼気迫る勢いの凄まじい2曲目。デスボ、オペラ、激重リフ、ピアノの音色、ブラストビート、オーケストラ……明らかな過積載にもかかわらず、すんなりと聴けてしまう魔性の魅力は、このバンド唯一無二のものでしょう。



☆「Morphine Waltz」


https://www.youtube.com/watch?v=gQ8oxhSAkt8


後半の始まりを告げる6曲目は、初っ端からギターとピアノの高速ユニゾンがハートを鷲掴み。メインを張るVeronicaは、前任者を彷彿とさせるエネルギッシュな歌唱が一際ひときわ輝いています。



☆「Bloodclock」(Drum Playthrough)


https://www.youtube.com/watch?v=jnsR-tE5-mY


こちらはアルバム4曲目、Eugene Ryabchenko(Dr.)の超絶プレイに的を絞った映像です。

このバンドのドラムは相変わらずどうかしてますね(褒め言葉)。初見時は「マシンガンじゃなくてちゃんと人間が叩いてたんだ」みたいな驚きがあります。


なお、同曲MVの方はこちら↓です。


https://www.youtube.com/watch?v=CatkW_p5hwc



他にもいずれ劣らぬ良曲が盛り沢山。一見落ち着いた曲の端々にも、ハッとするような技巧が散りばめられていて、聴き込むほどに味わいが深まります。新たな名盤の誕生をここに祝福しようではありませんか。

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