63. AVENGED SEVENFOLD『City Of Evil』(2005)

アメリカでもとびきりビッグなメタルバンドの一つ、「A7X」ことAVENGED SEVENFOLD。

2001年のデビュー以来、幾度もの音楽的変遷を辿たどり、現在では初期と似ても似つかぬ前衛的サウンドを展開していますが、高い評価は揺るがず。


ただ、筆者個人としては、今回取り上げるアルバムのようにパワーメタル色の強かった時期がお気に入りであるのは否めません。



◆AVENGED SEVENFOLD『City Of Evil』(2005)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/55tK4Ab7XHTOKkw0xDz3AA?si=HS2ycAZeTpiJR_8d3bJZqA


3rdアルバムとなる本作は、前作までの過激なメタルコアから一転、北欧やジャーマンメタルからの影響を取り入れ、メロディックな作風を前面に押し出しています。

M. Shadows(Vo.)の歌声も親しみやすさを増し、多くのファンを獲得した彼らの出世作です。



☆「Beast And The Harlot」


https://www.youtube.com/watch?v=7bDg7n-chhU


思わず真似して弾きたくなるリフの求心力、そして推進力。サビでのメジャー転調も胸のすく展開です。Synister Gates(Gt.)のはじけるようなギターソロも秀逸。何から何までキャッチーで爽快なオープニングナンバーです。



☆「Bat Country」


https://www.youtube.com/watch?v=IHS3qJdxefY


のっけからリズムミカルに、前のめりに突き進む様はヘヴィでパンキッシュ。スローパートを挟む緩急の付け方も乙なものです。やはり聴き応え充分のギターソロはSynisterにしか作り出せない個性を高らかに主張しています。



☆「Seize The Days」


https://www.youtube.com/watch?v=jUkoL9RE72o


痛々しいまでに重く、激しい悔恨をつづったパワーバラード。全編に渡ってエモーショナルなギタープレイも終始心を震わせます。胸をえぐられるような切なさに、今は亡きThe Rev(Dr./Vo.)を想わずにはいられません。



以上のほか全11曲。アルバム前半はメロディックでストレートなパワーメタルでひた押し、後半はやや長尺のプログレッシヴな曲調が続いていきます。

特に後半での変化は、次作における幅広い創造性の発揮を予兆しているかのようです。



なお、筆者のフェイバリットである4th『Avenged Sevenfold』(2007)については、以前のエッセイで存分に語っています。


【参考】

★『マッケンジー音楽室』37. アメリカン・メタル6選

https://kakuyomu.jp/works/16817330650571948914/episodes/16817330660238288298

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