62. 2024年の注目作(9)【プログレ】KAIPA/HAZE/KICK THE GIANT

新作アルバム特集、プログレ編は今年5回目と盛り沢山です。



◆KAIPA『Sommargryningsljus』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/6oATnkn4WgEnO9DEVqVFm8?si=Vjrx0PJXR0Cx1-TaF2odAw


Roine Stolt(Gt.)を輩出したことでも知られるスウェーデンの伝説的叙情シンフォニックロック・バンド。現在もリーダーHans Lundin(Key.)を中心に活動中です。

現ラインナップの打ち出すサウンドは男女ヴォーカルを効果的に織り交ぜつつ、ギターにはメタル並みの高速テクニックが駆使されています。



◇「Revelationview」


https://www.youtube.com/watch?v=2q9KctscNm4


情緒を揺さぶる寂寥感に満ちたリードトラック。ヴァイオリンやティンホイッスル?の音色が民族調を強く意識させると同時に、堂に入ったメロディックマイナースケールの使いぶりは最初期のオリジナルKAIPAをも思い起こさせてくれます。




◆HAZE『The Water's Edge』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/1l8ICgTG4aZCTfo2oScf8x?si=NMNYUX8xS2algZ6VTpLKzA


英国70年代結成の大ベテラン。付け焼き刃の懐古趣味でなく、当時の延長線上にある作風という感じ。70sハードロック的アプローチが目立つ一方、フォークの風合いも色濃く。

GENESIS近辺を出発点にしっかりと各時代を経由した音作りは曲調も幅広く、アルバムを通して飽きさせません。



◇「Flight Behaviour」


https://www.youtube.com/watch?v=p12Hnhfewbo


BEGGARS OPERAやKESTRELを思わせる洗練性がおもむきある音像を映し出す冒頭曲。ギターを前面に押し出しつつ、散りばめられたシンセ音が現代感を演出。品のあるフルートの音色も古き良き英国の空気感を運んできてくれます。




◆KICK THE GIANT『Presence』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/0DdhrwzrO42aFWZcrJAD7R?si=fL55DWqOTzCSuAYuOYVoug


フィンランド産のモダンなプログレ。結成10年にして1stフル。爽快な空気感は米産AORに通じるも気取った風ではなく、総じて親しみやすい全8曲が揃っています。プロダクションは80s後半~90s初頭を意識していそう。



☆「Stop Signs」


https://www.youtube.com/watch?v=PPy4JoY58j0


4th以前のDREAM THEATERにあったポップでライトな要素を突き詰めたかのようなプログレメタルです。この他の曲でもRUSH、VAN HALEN、DEEP PURPLEなど、往年のロックの影響を感じさせる装いがなされています。

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