52. MEGADETH『Rust In Peace』(1990)

スラッシュメタルといえば、ひずんだヴォーカルと攻撃的なサウンド、そして時に社会問題を見据えたシリアスな歌詞が特徴です。


俗にスラッシュ四天王と呼ばれる重鎮の中でも、特に知的でテクニカルなバンドとして一目置かれるMEGADETH。リーダーDave Mustaine(Vo./Gt.)は優れたギターリフを生み出す巨匠として名高い人物です。


一方で、自分たちの音楽に対して妥協を許さぬDaveの姿勢は、メンバーチェンジの激しさにも表れています。

そんなバンドもかつて、理想的なメンバーに恵まれた黄金期というものが存在しました。


メタル界に名を馳せるギターヒーローの一人、現在は日本在住でタレントとしても活躍するMarty Friedman(Gt.)が在籍していた、1990年代がその時期に当たります。



◆MEGADETH『Rust In Peace』(1990)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/0qaLL09EtF1hiUis7PRvaJ?si=eY2YagJGS_eGe4YqjInc8g


Marty加入直後の4thアルバム。それまでに積み上げてきた技術的洗練度の高まりと、初期衝動の余波とがピーク付近で交差する瞬間に生み出されたのは、圧倒的完成度を誇る歴史的名盤でした。



☆「Holy Wars...The Punishment Due」


https://www.youtube.com/watch?v=9d4ui9q7eDM


アグレッシヴでスピーディなオープニング曲。Daveの刻む切れ味鋭いリフは言うに及ばず、Martyの奏でるオリエンタルなフレーズもガッチリとハートを鷲掴わしづかみ。楽曲そのものも展開に次ぐ展開で畳み掛けてきます。



◇「Hanger 18」


https://www.youtube.com/watch?v=x5A9Aa-WU5E


続く2曲目はイントロだけで満腹感を覚えるほど。繰り返しカットインするMartyの泣きのギターには風格すら漂っています。本領は2:48~、DaveとMartyの鬼気迫るギターソロの応酬は何度聴いてもゾクゾクさせられます。



◇「Tornado Of Souls」


https://www.youtube.com/watch?v=sONL6QUMR9E


数あるMEGADETH楽曲の中でも随一のキャッチーな歌ものナンバー。ノリノリの疾走感に身をゆだねつつ、声に出して叫びたい「トーネイドー!」でテンションはMAX。エモーショナルなMartyのギターソロも華を添えます。




「メタルは好きだけどスラッシュはちょっと……」という方にこそMEGADETHをおすすめします。

情感に訴えかけるメロディと好奇心を刺激するリフ、バラエティに富んだ楽曲の詰まった『Rust In Peace』は入門編として最適のはずです。

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