25. GREYHAWK『Thunderheart』(2024)

今回ご紹介するのは、アメリカ産NWOTHM(New Wave Of Traditional Heavy Metal)バンド、GREYHAWKの新作です。


硬派でファンタジックな作風はDIOとMANOWARの中間ほど。GRIM REAPERやGRAVE DIGGERなどにも通ずるオールドタイプのパワーメタル・サウンドは、メタラー諸氏の脳天を直撃すること請け合いです。


ちなみに、ベーシストはライヴ会場にひそんだ暴漢を、銃撃されながらも取り押さえたとしてニュースになったこともあります。ヘヴィメタルとは、音楽である前に魂の在り方であると言えるのかもしれません。



◆GREYHAWK『Thunderheart』(2024)


https://open.spotify.com/intl-ja/album/2KoHBjlavlEzQfi7XuE5mg?si=1RAG9gPzSM2YTxgQMyGXmQ


一昨年のEPに続く2ndフル。熱く骨太なスタイルはそのままに、無駄や粗さがぎ落とされ、また一回り洗練度を増しています。曲調のバリエーションも豊かとなった勇者の帰還を歓迎しましょう。



◇「Spellstone」


https://www.youtube.com/watch?v=dEzb6al5lgU


アルバムの先陣を切るのは勇壮なスピードチューン。野性味あるヴォーカルはハイトーンでも衰え知らず、ツインギターは派手に、地に足のついたリズム隊のばんじゃく感も頼もしく。まさにおとこの音楽を体現した名刺代わりの一発です。



◇「Sacrifice Of Steel」


https://www.youtube.com/watch?v=GMtkq_5Z5gk


6曲目。IRON MAIDEN風ギャロップのビートにACCEPT風の男声コーラスが重なるイントロを皮切りに、リズムチェンジを繰り返しながらドラマチックに展開。多彩さの中にもスタンスのブレを感じさせない一貫性はお見事です。



◇「Back In The Fight」


https://www.youtube.com/watch?v=7jLZKJ2jEwg


ザクザクとした軽快なギターリフが終盤を盛り上げる8曲目。テクニカルでありつつも人間味を感じさせる、血の通ったギタープレイはかつてのRandy Rhodesを思い出させます。聴いたが最後、ヘドバン必至な会心の一撃。



他にも、QUEENSRŸCHE風のパワーバラードや、Thundersteel期RIOTを思わせるエピックソングなど、偉大な先人たちへのリスペクトを随所に感じさせる楽曲たちは、どれも聴きどころが満載です。



現代に根付いたヘヴィメタルの中のヘヴィメタルが堪能できる快作。我こそは真のメタラーだと自負するリスナー諸氏に、自信を持っておすすめできる一枚です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る