10. SPOCK'S BEARD『V』(2000)ほか

真野魚尾 (まの・うおお)です。こうしてエッセイを書くまでの音楽好きが高じて、趣味で作曲などをしていた時期もあります。


突き詰めて「自分は最終的にどんな音楽が作りたいんだろう」と考えたとき、一つの理想的なビジョンを示してくれたミュージシャンがいました。


それが、今回紹介するアメリカのバンドSPOCK'S BEARDの中心人物であったNeal Morse(Vo./Key./Gt.)です。


YESやGENESISの薫陶を受けた王道のプログレッシヴ・ロックを核として、ジャズからポップスまで様々なエッセンスを取り入れた音楽性に、深く感銘を受けたのを憶えています。



◆SPOCK'S BEARD『Beware Of Darkness』(1996)


2nd。表題曲のGeorge Harrisonカヴァーから分かるように、THE BEATLESからの影響は明らかです。「Thoughts」に見られるGENTLE GIANT風のコーラスワークも、この頃から彼等のトレードマークとして定着しました。



★「Walking On The Wind」


こちらは2008年、Neal Morseのソロライヴからの音源です。


https://www.youtube.com/watch?v=vfdcbCUafvo


https://open.spotify.com/intl-ja/album/6oAWkGgBLe3RpGH3vNjZBP?si=cBFHvoRLQVG_fYq61-8xqQ


Nealのヴォーカルを軸に各パートが技巧を振るいつつ、互いを邪魔することなく高め合う様は実に感動的です。めくるめくシンフォニック・サウンドに圧倒されるまま、9分間があっという間に過ぎ去ってしまいます。




◆SPOCK'S BEARD『V』(2000)


5thアルバム。親しみやすい小曲を挟みつつも、最後に鎮座する27分の大曲「The Great Nothing」では、Nealのプログレ職人としての面目躍如ぶりが遺憾なく発揮されています。



★「At The End Of The Day」


アルバム冒頭曲。Nick D'Virgilio(Dr./Vo.)のプレイスルー動画より。16分半の原曲を11分ほどに編集してあります。


https://www.youtube.com/watch?v=SDjfUbSVSew


変幻自在のドラムは勿論、Nealの実兄・フィンガーピッキングの名手Alan Mose(Gt.)の微細なニュアンスコントロール、Dave Meros(Ba.)の多彩なプレイスタイル、奥本亮 (Key.)の荒れ狂うオルガンソロなど、聴きどころが詰まった良曲です。



まだまだ語り足りません。次回へと続きます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る