悪魔と呼ばれた僕たち

悪魔と呼ばれた僕たち

本来生まれるはずがなかった

生まれてはならなかった

だけど僕たちは生まれてしまった

僕たちは生まれた理由を知っている

だって僕たちを生んだ人達が言っていた

君たちは悪い奴らを倒すために生まれたんだと

それが名誉なことだと教えこまれた

僕たちはそれを正しいことだと信じた

そして運命の日が訪れた

僕たちに命令が下る

悪い奴らを倒してこの世界に平和をもたらす

それが僕たちにとって最初で最後の命令となる

飛行機の音が段々と近づいてくる

とうとう役目を果たすことができる

そして僕たちは空から落ち始めた

だけど落ち始めた数秒後

下に見えるのは僕たちに命令を下した人達と同じ姿をした奴ら

そこで僕たちは奴らという正体を知った

だけどもう止まれない

謝っても止められない

だからもう落ちるしかない

下にいる敵と呼ばれた人達目掛けて僕たちは飛来する

僕らは爆弾

空から人達を傷つける悪魔の存在

だけど知らなかったんだ

本当に知らなかったんだ

許してくれなんて言えないけれど、僕たちは切に願う

頼むから僕たちが最後の悪魔と呼ばれますように

月日が経ち 戦争は終わる

平和が戻った

そして僕たちは再び願う

頼むから放たないでくれ

もう休ませてくれ

眠らせてくれ

これ以上僕たちに人を倒させないでくれ

だけど僕たちは操り人形

僕たちの意思じゃ動けない

だから逃げられない

ああ、平和な世の中が続くといいな