第207話 三人でお風呂
◇ルクスside◇
二人がお風呂場に入るのを待っていると、いよいよドアが開いたため、僕は心拍数を一気に上昇させる。
すると、そのドアの奥から、シアナとフローレンスさんがこのお風呂場に入ってきて言った。
「ご主人様!お待たせ致しました!」
「ルクス様、お待たせ致しました」
「シ、シアナ、フローレンスさん……」
服を着ていない女性が目の前に二人居るという事実だけで僕は気が動転してしまいそうだったけど、僕はさらに二人の格好を見る。
シアナは、最低限体が隠れるようにだけタオルを持っているけど、その色白の肌や大きな胸元、長い脚などの大人びた体つきはとてもそのタオルだけでは隠せていない。
フローレンスさんは体全身にバスタオルを巻いているけど、それによって逆に大きな胸元や整ったボディラインが強調されていて────言うまでもなく、二人は僕にとってとても刺激的な姿だったため、思わず二人から視線を逸らす。
すると、二人が僕に近付いてきて言った。
「ルクス様、私は全身にタオルを巻いていますので、私からは視線を逸らさなくとも良いのですよ?」
「私も、ご主人様にでしたらどれほどでも見ていただいて構いませんので、ご遠慮なさならいでください!」
「えっと……うん……」
二人のことを見るのはとても恥ずかしいけど、一緒にお風呂に入っているのにその相手のことを見ないというのは逆に失礼に当たるのかなと考えた僕は、ゆっくりと二人に視線を戻す。
「っ……!」
すると、先ほどよりも近くに二人が居て、僕の心臓は一度強く鼓動を打った。
「では、ルクス様……今からルクス様のお体を洗わせていただきますので、どうぞあちらへお座りください」
「は……はい!」
緊張しながらそう答えると、僕はフローレンスさんに促された通りに体を洗う場所に座る。
すると、後ろからシアナの声が聞こえてきた。
「当然、私もご主人様のお体を洗わせていただきます!」
「……でしたら、私はルクス様のお体の右側を洗わせていただきますので、シアナさんは左側をお願い致します」
「はい!」
そんなやり取りが行われると、二人は早速後ろから僕の体を洗い始めてくれた。
シアナは僕の左腕を、フローレンスさんは僕の右腕を。
「ルクス様、疲れは取れておりますか?」
「はい!と、とても良い感じです!」
「ありがとうございます」
「ご主人様!私の方はいかがですか?」
「シ、シアナの方も良い感じだよ」
「ありがとうございます!」
とても綺麗で美人な二人が、同時に僕の体を洗ってくれているなんて……
そう考えるだけで心臓がうるさくなってしまうけど、僕はどうにか心を落ち着ける。
それから、少ししてフローレンスさんが言った。
「ルクス様、一応ですが……今は左後ろ、シアナさんの方は振り向かないようにお願い致します」
「え……?わ、わかりました」
その言葉の意味が一瞬わからなかったけど、シアナは手に持っていた一枚のタオルで今僕の体を洗ってくれているから、今のシアナは────っ!
だ、だから、そんなことを考えたらダメだ!従者のそんなことを考えてしまうなんて……!!
僕は自責しながらも、どうにかその想像から意識を離す。
そして、二人が背中を洗い始めてくれた……それから少しした時。
「ご主人様!ご主人様のお体をしっかりと洗わせていただくためにも、失礼致します!」
「えっ……!?」
そう言うと、シアナは後ろから僕に体を密着させて、再度僕の背中を洗い始めてくれる。
……とても柔らかで大きな二つものが当たってるけど、これってもしかして、シ、シ、シアナの!?
僕が、二人に背中を洗ってもらいながらも、もはやその感触だけにしか意識を向けられないでいると────
「ルクス様、私もこうさせていただいた方がルクス様のお体を洗わせていただきやすいので、少々失礼致します」
「っ……!」
と言うと、フローレンスさんも後ろから僕に体を密着させて、再度僕の背中を洗い始めてくれた。
っ……!バスタオル越しとはいえ、フローレンスさんの柔らかな部分や、体全体が触れて……!
それから、二人はしばらくの間そのままの状態で僕の体を洗い続けてくれた。
二人が僕のために僕の体を洗ってくれているのは嬉しい────けど、僕はそんな刺激の連続で、気を抜けば倒れてしまいそうだった。
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