第5話

 反動であった。


 それは分かっていたことだった。


 体調が良い日があれば、同様に悪い日もある。


 折れ線グラフで、均一になるようになっている。


 それが、今日だったというだけの話だ。


 昨日体調が良かった分、もう酷いものだった。脳髄を汚水の溜まった洗濯槽で攪拌されぐちゃぐちゃにされたかのような、悲鳴のような頭痛であった。


 薬を飲んで、大人しく家に居ることにした。


 こうしていると、時々思う。


 思い至ってしまう。


 私がこうして辛く苦しい思いをしながら何とか生存することができている中、周囲の人々はどうだろう、と。


 周囲の人々は、辛く苦しい思いをしながら、それに加えて仕事もしている。自らを社会の歯車として頑張っているのである。


 なのに私はどうだ。


 この程度で、予測できる体調不良程度で、心の均衡バランスも崩れて、使い物にならなくなっている。

 やはり。


 私は――死んだ方が良いのではないか。


 いや、勿論分かっている。


 死ねば全てから解放されるというのは、あくまで生きている側からの幻想でしかない。


 死んだその先には、何もない。


 辛いことと苦しいことの十重とえ二十重はたえである現状ではあるけれど、その先に経由するやもしれない楽しいことや嬉しいことも、ない。


 なんにもないのである。


 それは私自身が良く分かっている。


 その理由も、いつか話すとしよう。


 いずれにせよ、だからこそ、積極的に自殺に踏み切らないというのもある。


 その所為で、こうして希死念慮を織り交ぜた駄文をつらつらと述べている。


 本当、迷惑や不快に思ったなら、ミュートなりブロックなりしていただいて構わない。むしろ人に迷惑を掛けたくないと思う性質なので、それで皆々の心意気が晴れるのなら、そうしていただいて結構である。


 きっといつか、この辛さも、苦しさも、必要なものだったのだと思える日がきっと来るのだろう。


 そんなはかない希望を胸に、頭と腹の痛みを薬で抑え、私は生きる。


 でも、今は辛い。


 でも、今は苦しい。




(続)

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