このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(256文字)
とにかく文章がうまくて、読み進めると目の前に異国の街と海が広がっていくような気分を味わえます。この上質な読書体験だけで一読の価値あり。しかし、それだけでは終わらず、主人公のキャラクター、この街を訪れる意味も素晴らしいです。ゆっくりと流れる時間の中で、徐々に存在感を増していく主人公。人とのつながりを強く感じつつ、読後になんだか旅をしたくなるような作品です。人の心を強く動かす作品! ぜひ読んでみてください。
空気感のよい作品でした。作中の空気は煙草の煙が満ちて潮風であんまりよくなさそうですけど、そういう空気の悪そうな感じがいい空気です。