第20話 『地下の世界』 その9


 『ここに、祠があるね。』


 それは、祠と言っても、小さな石を積み上げた三角形の物体みたいなものなのだが、人工には違いない。


 組み合わせかたが、意図的に見える。


 『こりは、氷山の一角れす。』


 と、とざんくんが言った。


 『なんと、残りは、地下に埋まってる?』


 『はい。明らかにそうれす。ピラミッドみたいに思える。四段組の、階段ピラミッドれす。基底は、一辺約11メートル。全高、3.5メートルは、あります。びーぶー。』


 『掘り出せるようなもの?』


 具李子さんが尋ねたのである。


 『そのためには、大学クラスの発掘調査団が必要かと。ピーブー。』


 『そりゃむりよ。でも、探しているのは、道よ。地下に降りるね。』


 『まあね。しかし、十分文化財クラスのものれす。これだけでも、大したもんだぜ。ピーブー。』


 『なんで、いままで、ほっておかれたの?』


 『なぞれす。ピーブー。が、ま、神社に、その気がなかったのれしょう。』


 『まあ。これだけみたら、むりもないかも。とざんくん、ほかにないかな?』


 『すこし、おまちを。ピーピーブーブー。ピラミッドの下に、階段らしきがあります。』


 『すごいじゃない? でも、そこには、行ける?』


 『ピラミッドをどけるか、真ん中に穴を開けるか、れす。穴を開けることは可能。たらし、ピラミッドは、破壊します。どっかーん。ピーブー。』


 『それは、いくらなんでも、だめよ。あまりに、荷が重いわ。』


 『なら、むり、れす。大発見なのに。』


 『外に、道はないか探して。』

 

 『あい。探します。ちなみに、ピラミッド的物体は、ほかにもありますが、みな、崖っぷちで、危ないね。しかし、そこから、道が出てるかもしれないから、ぼくが、探してきます。待っててね。』


 『たのもしいわあ。』


 具李子さんが言ったが、ぼくは、ちょっと面白くなかった。



      🍰


 


 

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