第17話 『地下の世界』その7
決行の前日。
父は帰ってこなかった。
金曜日になっても帰らない。
まあ、いつものことだ。
ぼくは、決行の約束時間である、土曜日深夜零時に、神社に集結した。
巫女さまも来てくれていた。
『今回は、お試しくらいの気持ちで行きなさい。無理をしてはだめよ。』
巫女さまが言う。
『まあ、具李子さんは、そうも行かないかもしれないけど、彼が居るんだから、自重すべきは自重しなさいね。』
『わかってます。まずは、ルートの確認です。ほんとに、あるのかどうか。頂上には、言われるような祠はあるのでしょうか?』
『祠、と言うべきものはあります。しかし、分かりやすい洞窟や縦穴は無さそうに見えますが、なにしろ誰も、まともな調査をしていません。入口が見つかったら万歳です。暗いので、これ、スーパー暗視ゴーグルです。こちらは、『探検グッズ一式。』です。また、お助け組み立てロボットのトザンくんです。あらゆることを説明してくれます。しかし、頂上に上がるのは割に楽です。問題は、もうひとつの方です。朝になるまでに山頂はきりあげて、休みを取り、降りてください。トザンくんが、調査を助けてくれます。わたくしが思うに、すだれに似たかたちがあるのでしょう。たぶんね。このあたりには、大昔には、巨大洞窟があったのだと思います。それが崩壊して、いまみたいになった。奇岩もたくさんあります。あのシールは張りましたか?』
巫女さまは、あの十二芒星のシールを用意してくれていた。
ふたりは、身体と防具の背中に張り付けた。
『こちらは、GPSです。いまは、むかし程の威力がありませんが、まあ、まだ動いてる衛星があります。ないよりは、まし。では、トザンくを起動します。』
巫女さまは、持ってきていた箱のスイッチを押した。
すると、その箱は、見る間に、もりもりと組み上がり、一体のロボットになった。
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