第5話 モブの休日をブチ壊す如月さん

高校に入学してから、俺は如月さんにモブムーブを邪魔されまくった。

だが、今日は休日!

そう、モブが最も活躍できる日!

だが、そうは浮かれていられない。

ショッピングモールなど論外である。

あんなの主人公とヒロインがわちゃわちゃするためだけの場所だからね。

というわけで、ここだ。

そう、図書館!

ここならこないだろう。完璧〜。

さて、読みたい本も見繕ったし、読書スペースで優雅に読書をーー

いや、待て。

この勢いであの如月さんに出くわしたの何回目だ?

そうだ。一度深呼吸だ。

……よし、読者スペースはあきらめよう。

ならば自習スペース!自習スペースならばそうそう陽キャなどこない!それに読者OK!勝ったなガハハ……というわけで、自習スペースに行こう。

よし、ではいざゆかん、自習スペースへ!

「あ、望月くん」

……

…………

………………\(^o^)/オワタ

「い、いや、人違いです。」

「いやいや〜。その声は望月くんだって」

……今日の、モブライフ終了……

いや、まだだ!何かしらにつけて逃げればまだ可能性はーー

「あのね、実は本が借りたくて探してたんだけど見

 つからなくて……」

……くそぉっ!


かくして、さっさと如月さんに帰ってもらうべく、行動を開始した。

まずは図書レーダーで本を検索する。

やらせてる間に逃げようとしたが、前回同様機械音痴が発動してしまったので失敗。

次にその場所へ移動し、本棚からお目当ての本を探す。

流石に探してる間なら帰れるだろうとは思ったのだが、まさかの如月さんの身長より高く、かつ丁度自分の身長にあったため取らざるを得なくなった。

そして、お目当ての本を手に取り如月さんに渡す。

「ありがとう望月くん!」

゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・。パァァァ

ぅ゙っ゙ココロガグルジイ

急げ、急ぐんだ。一刻も早くこの場から逃げなければ……!

「待って、望月くん!」

如月さんが裾を掴んでくる。

「え、えっと……如月さん……?」

ちょい、と掴まれたほうの腕を動かす。

と、如月さんは両手で裾を掴んで抵抗してきた。

「あ、あのね……」

如月さんの顔が薄い桜色に染まる。

「このあと、空いてる……?」


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