第15話 決戦

九日目の夜、七時。

男はそろそろ本を読み終わり始めていた。島を訪れてから、一週間を軽く超えていた。リヴァイアサンは警戒心の強い動物だが、ここまで何も動きが無いのは却って不気味に思うほどだった。

男もそろそろ別のプランに切り替えることを視野に入れ始めた瞬間。

受信機のランプの光が消えた。

男は念の為、受信機のアンテナを触った。

今度は、消えたままだった。

それどころか、最初に光が消えたランプの左隣のランプの光も消えた。

男は飛び上がると、直ぐ側に置かれていたコートを着て、ライフルを肩にかけ、火を灯したランタンを右手に持ち、小型タイプの受信機を首から下げて、外に飛び出した。

消えたランプは、ちょうど、この砂浜の反対側にある海に仕掛けたブイのものであった。

男はやや小走りになりながら、その場所へと向かっていった。

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