第11話 警戒

男は、テントの中に入るとライフル銃の手入れや、銃弾の整理を行い始めた。

これから、数日ほどリヴァイアサンを相手に警戒し続けることになるだろう。

男は、小さな折りたたみテーブルの上で銃弾を整理していたが、テーブルの直ぐ側に置かれている、受信機にも気を配っていた。

海に浮かべたブイに取り付けられた発信機から電波を受信し、受信機に取り付けられた赤いランプが光るという仕組みだった。

機械の表面には30個のランプが取り付けられていたが、そのうち17個が赤く光っていた。

男は、受信機の本体から飛び出たアンテナを軽く触り、角度を調整した。

男は、銃弾を整理しながら、意味もなく何度もアンテナを調整し続けた。

リヴァイアサンは、怒り始めると、その直後は人や物に対して襲いかかろうとはしない。

暫く鳴りを潜め、相手に対し、いかに効率よく襲えるかを考える。そしてチャンスが訪れた瞬間に襲いかかる。

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