第8話 支度

男は、テントにたどり着くと、周りに置かれていた木箱の一つを開け、中から筒状の物体を取り出した。

男は更に同じ木箱から、今度は、空気入れを取り出すと、次に筒状の物体を広げて、それの端に取り付けられている空気穴に空気入れを差し込み、空気入れのハンドルを掴むと、空気を入れ始めた。

空気を入れられ始めたその物体はやがて、形を作り始めた。

男がさらに、空気を入れてゆくと徐々に小さな船の形になっていった。

しばらく時間が経ったとき、砂浜には一隻のゴムボートが鎮座していた。

男はゴムボートの一部を掴むと、何度も力を入れ、空気の入りを確かめた。

空気が入ったことを確かめると、空気穴から空気入れを外し、急いでキャップをはめ、空気を閉じ込めた。

そして今度はもう一つの木箱に手を伸ばし、蓋を開けた。

中に入っていた大量の箱状の物体の内、一つを取り出すと、その表面をチェックし始めた。

箱状の物体は薄い茶色の包み紙で覆われており、そこには「火気厳禁」や「爆発物注意」と書かれていた。

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