波寄せて泡沫

 彼女に送るは見た目麗しき箱! 波音を縫って彼の声を聞き、その手には美しい箱が載っていました。細工の彩りに見惚れた彼女はその蓋に手をかけます。
 ときおり、海風は砂をさらいました。風が吹き去ってなお積もる思いもありましょうか。