わらうりゆう

あれ?君、どうしたんだい?もう、夜だから悲しいが今日のパフォーマンスは終わりだよ?君は良い子だから早く家に帰らないと!


…何?クラウンが嘘をついている?

まっさかー!ワタクシが君に嘘をつくわけがないじゃないか!


…へえ?なぜ君が僕の本名を知っているのかな?ただの子供ではないようだね!まあ、そこまで言うなら良いよ!減るもんでもないし!さて、話すなら一旦道化師としての役目はお休みかな!どうしてって決まってるじゃないか!道化師は暗い話はしないの!ブラックジョークとか感動的な話くらいはたまに言うけどね!


最期に確認だけど僕の過去はね、あまり良いものではないんだよ。それでも聞くのかい?

OK。聞くんだね。


まず、お昼に話したことの訂正といこうじゃないか。僕はそこそこのお金持ちの家に生まれたよ。それは合ってる。次、表面上、僕の両親は親バカに見えたかもしれないが実際はそうではない。

だって、どんなことがあろうと笑顔でいることを強制してくるような親なんて親バカとは言えないだろう?まあ、バカという意味では合ってるのか?

僕はずっと笑顔でいなければいけなかった。たとえ、僕が虐待されようが学校でいじめられようが…


ああ、僕がバカだったらこれを愛と認識できたかもしれないのに!現実はそうはいかなかった。僕は誰からも愛されていないことに気づいていた。必要とされていないというのは地獄だった。


まあ、そんな地獄も終わりを迎えることが起こったんだ!僕は教祖様に会った!あのお方はこの世で最も尊いものは死体を信仰することであると教えてくれた。目から鱗だった!皆が恐れる死がこんなに尊いものだったなんて!僕はこのとても素晴らしい教えを両親にも教えてあげたんだ。


あー、そんな尊い、素晴らしいことを聞いた両親は何と言ったんだっけ?


たしか、「そんなどうでも良いことより勉強しなさい!」だったかな。


僕の信仰を否定するなんてあいつらは異端者なんだ。

異端者の末路は生贄だ。

僕はあいつらを上手いこと気絶させ、異端者として、生贄として教祖様のもとへと連れて行って。苦しめて苦しめてそして!…殺したのさ。



さあ、これで僕の話は本当に終わり。


何故、怯えるんだい?君が望んだことだろう?

ここまで聞いた君に今度は僕から質問さ。


どこで僕の本名を知った?

死体信仰に興味はないかな?まあ、興味あるといっても僕の過去を探った君は殺したいから嘘とみなすが。


楽しい遊園地へといこうじゃないか、生贄さん。

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