この箱開ける。

川向こうのジェロ吉さん

第1話 安全地帯が危険地帯!

受付嬢の話が終わり、俺達は各部屋を覗いていく。


「ねぇオネーちゃん、ここって実際住むと結構な金額になるのかなぁ」

「そうね一ヶ月十万円は行くかもね」


「それがただで住めて、お金が落ちているのね」

「早々、上手く使えば拠点になるわよ」


中から音が聞こえる。


「待てよ、開けるな」

妹が扉を開けると、スライムの集団が出てくる。


「モンスターハウスだ、戦うぞ」

三人でスライムを叩き潰して行く。


三十分間の戦闘で全てのスライムを潰した。

魔石が、相当量落ちている。


「よし拾うよ、後は特別落ちている物は無いな、この部屋は恐らく住めないから次の部屋を見てみよう」


また次の部屋を見て行く。

今度の部屋は音もしなくて早速開けてみる。


中はワンルーム、小型のキッチンセットとシャワールーム。

そして奥には金色の箱。


「ねぇここ空部屋でいいのよね?」

「恐らくは良いと思うけど、あれは怪しいよね!」

俺は金色の箱を指差す。


「お姉ちゃんもお兄ちゃんもビビリすぎよ、こんなのは此処のリストには無い魔物はなんて居ないのだからね!」


でも箱と言えばミミック、確かに宝箱では無いけど、鎮座してるのはどうかと思う。


「アンタ開けてきなよ、私達は裏で見てるからさ」

「早々チョット見てきて、可愛い妹からのお・ね・が・い・よ」


人を死地に送り出す妹は可愛くない、悪魔の妹だろう。

姉は魔女だな、ウンウン。


仕方なしに、まずはバットの先で突っついてみる、まるで反応無し。

今度は、さっき拾ったスライムの魔石を投げてみる。

黄色の魔石だから風魔法が発動、心地よい風だ!


そして今度は素手で開けようと近くまで寄り、蓋に手をかけようとした瞬間箱が開いて襲って・・・来ない?


「何なんだよこの箱は?」


「空いた蓋の後ろに貼り紙があるよお兄ちゃん」


三人で読んで見る。


『またもや残念、ハズレです。次回の挑戦お待ちしてます』


読んだ瞬間にまた三人で何かの力で部屋の外に出される。


そしてその扉は開かなくなった。










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