第29話 トランプカードと巨大なビリヤード台
Yobase達は横になっている巨大なビリヤード台から情報を探していた。
ビリヤード台の大きさは人より二回り以上大きく横幅3m高さが6mぐらいの大きさで長方形の一枚のカードのような形だった。
レトファリックは台の高さに驚いていた。
「何度見ても高いですね。全貌が見えない。」
「峰未雨肩貸して。」
鯱千が峰未雨の肩を借りて、上部を確認していた。
しかし、田芽助が瞬時にヒントを見つけた。
「あ、あのよく見たらここに丸型の凹みが8つあります。色もついています。」
「本当だ。丁度ビリヤード玉の大きさくらいだ。」
「意味がなかったね。峰未雨。」
「早く降りて。」
「レトファリック、台座に何かを施したりしたか。」
「カメレオンの7と唱えたけれど反応がなかったよ。どうすれば反応するんだろ。」
鯱千が峰未雨から降りて田芽助の灯りで示している場所を見た。
「左側の色が、黒、青、赤、緑になっています。この4色はトランプカードの色を表していると思います。」
「凹みは8つ、間違いなさそうだな。トランプの色位置がスキル画面の長方形の部分と同じだ。」
峰未雨と鯱千が凹みを確認していた。
「おーこれか。結局トランプカードなのかよ。」
「トランプカードの4色と同じですね。黒色がスペードで合ってるとしたらスペードの10の回答があった場所が黒色になってますね。」
「青色がダイヤ。緑色がクラブ。位置は長方形のと合ってそうだ。右側と左側で色の順番が違うのは予想外。気になるのは、左側かな。」
レトファリック達がランプで光らせた場所に縦2列。横4列の8マスの丸形の穴が開いていた。トランプのカードで出てくる4つのマークの色があった。黒色はスペード。青色はダイヤ。赤色はハート。緑色はクラブ。
左上から順にスペード、ダイヤ、ハート、クラブ。右上から順に、ダイヤ、スペード、クラブ、ダイヤを表す色があった。
レトファリックはメニュー画面を開き、丸形の凹みとメニューのスキル画面の長方形の部分と見比べた。カメレオンの7が現れた位置と台座のマークが一致していた。
スペードの10と回答された FONUMEES SKILL JOKER CODEの位置と同じな事も確認した。
「鯱千の言う通り、青色がダイヤ緑色がクラブと考えると、スキル画面の長方形のダイヤの3が現れた位置。クラブの7が数十分現れた位置と一致している。しかし丸型の凹みはビリヤード玉、この壁も巨大なビリヤード台になっている。」
田芽助が巨大なビリヤード台を眺めて発言した。
「なぜトランプカードではなくビリヤードなのかは分かりません。全てのカードを集めるだけならスキル画面だけでいいはずです。しかし、ゲームクリアに必要だからビリヤード台が置かれてるんだと思います。」
「田芽助と同意見だ。この巨大なビリヤード台ゲームクリアに必要な可能性が高いと思う。それと、4色からカードのマークが分かるなら数字さえ分かれば次の FONUMEES SKILL EX JOKER CODEも答えられる筈だ。」
「私もカードに該当するスキルが欲しくなってきた。」
「この情報は今回の事件の根幹に関わってる。マジでアドバンテージだ。私の時代来た。」
各々が目の前の大きな情報を前にして希望を抱いていた。
峰未雨が、カードに該当するスキルを持っているレトファリックに話しかけた。
「この巨大なビリヤード台に意味があるなら、普通にダイヤの3、大富豪の最初のカードスキルに反応すると思います。試して良さそうじゃないですか、レトファリックさん。」
「確かにあり得る。田芽助、試してみよう。」
「分かりました、試してみましょう。」
鯱千の意見に賛同して田芽助とレトファリックがそれぞれスキルを発動させた。
「テママリナネットの3」
「モルホデフタの3」
スキルを発動させるとビリヤード台が様変わりしてデジタル画面となった。
[認証しています。テママリナネットの3=多憑依獣の転転移〔北極の海とテママリナネット〕モルホデフタの3=不動赤鉱鳥の意識指示〔地始まりとモルホデフタ〕テママリナネット、モルホデフタ確認致しました。ダイヤの3達成致しました。現在の状況を把握しています。少々お時間を頂きますがお待ち下さい。]
台座のマークの淵が光り出した。
[伝達完了致しました。危険ですので台座からは離れてお待ち下さい。]
「芝生からデジタル画面になった、一体どうなってる。」
「うわー。何この演出。綺麗じゃん。」
4人は3歩程後方に下がったが台座が上下に回転し始め事に驚きさらに後方に下がった。
「凄い回転し始めました。裏面になってるからですかね。」
「それならスキル画面と同じように一度真っ新になるかもな。」
回転していた台座が90度後方に回転し止まった。ビリヤード台として使える高さになった。
先程からモンスターの気配はない。4人がビリヤード台を囲むように画面を眺めていた。通常のビリヤード台の2倍程大きく上から見ても大きなスクリーンは作戦会議にも活かせそうな代物だった。
鯱千は気持ちが高揚していた。峰未雨は現実世界を思い出して穏やかな気持ちになっていた。
「巨大なビリヤード台だ。しかもデジタル画面が着いていて近未来的。」
「ビリヤード台というより液晶テレビみたい。今までゲームの世界に入ってたから、デジタル画面を見ると落ち着くな。」
表面が液晶に見える画面のビリヤード台に、青白い光で一枚のトランプカードと文字が書かれていく。
[仮NPCの皆さん、おめでとうございます。スペードの10正答を確認致しました。システムに沿って回答への導出を説明いたします。]
「おお。これは2日目の早朝に回答があったスペードの10だ。未だになぜスペードの10なのかが分からないが。」
「僕にも分かりません。先ほどの丸型の凹みの色の順番を見てもさっぱりなので導出を教えてくれるのは嬉しいですね。」
〔メニューにあるスキル画面の長方形のエリアを再現致しました。〕
デジタル画面の右側に沿うようにメニューからスキル画面へと移り、長方形の縁が光出した。長方形の下部のスペースに文字が現れた。
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