第37話 魔物の襲撃
すぐに一行はベリーサ村に着いた、そこにはすでに数人の冒険者らしき者も待機してた。
「おぉーバベル殿も来てくれたか、これは心強い」
出迎えたのは有名なプラチナランクの冒険者で構成されたチーム『蒼天』率いるロクスだった。
「俺は『蒼天』のロクスだ、よろしく頼む」
「バベルだ、よろしく、新しい情報は何か入ってるか?」
「後一時間もすればこの村に魔物が押し寄せるとのことで村の者達を避難させてる所だ。」
「魔物の数は分かってるか?」
「正確な数は分からないが100は下らないとの事だ」
「多いな・・しかし何故だ・・・」
「分からんがここで止めるしかないな」
(もしかしてあいつが関係してるのか・・・)
バベルに思い当たるのはデューク・・・魔物を使った何かの実験かもしれないと、デュークのあの不敵な笑みが脳裏を過った・・・
そして続々と冒険者達も集まって来た、皆、村を町を守るために・・・
「最前線は腕に自信の有る奴で固めよう、後ろに漏れたのは後の皆で頼む」
そしてバベル、ハク ロクスが村の最前線で待ち受ける、後方でアンナや他の魔導士達、剣士等が必ず止めると意気込んで待機する、皆、固唾を飲んでその時を静かに待つ・・・
そして魔物どもはやってきた、どの魔物も少し様子がおかしい鼻息荒く、真っ赤な目をしてうっすらと闇のオーラを感じる・・・
「なんだあれは・・・」
「なんだかやばそうだな・・・十分引き付けて一気に蹴散らすぞ」
ロクスは身の丈ほどもある戦斧をズシリと構える。
「数を狩るならこいつだ」
そしてバベル達を見て様子を伺ってた魔物どもが波の様に押し寄せて来た!
「行くぞ!」
【バベルマキシマイズ】
【野獣の咆哮】ガオオオオオオン
一瞬魔物どもの足が止まるそこにすかさずハクがスキルを放つ
【凍てつく吹雪】
轟々と鳴り響く吹雪が魔物どもの動きを止める
【百鬼旋風刃】
ロクスがハンマー投げの様にブンブン戦斧を振り回しながら魔物の群れに突っ込んでいく、まるで竜巻の如く魔物を蹴散らしていく。
そこにバベルとハクも突っ込む。バベルの動きはもはや光の弾丸の様だった触れるもの全てを弾き飛ばし切り裂いていく。ハクもまた魔物の群れを薙倒していく、後方で構える冒険者達はその様子を見守る。
「凄すぎる・・・」
「これは出番無いんじゃないか・・・」
ガオオオオオオン
やがて、全ての魔物を殲滅し静寂が訪れる・・・
「やったみたいだな・・・」
待機してた冒険者たちもホッと胸を撫でおろす。だがまだ終わっては無かった。
ズスーン・・・・ズスーン・・・・
何やら地響きと共にそれはやって来た・・・
「ヘルファイアタイラント・・・・ギガントコング・・・」
「嘘だろ・・・伝説の怪物・・・・」
プラチナランクの冒険者の最上位に位置するロクスが叫んだ。
「あれはやばい、後方部隊逃げろおおお!」
「バベルあれは、冒険者500人でやっと討伐できるかどうかってボスだぞ、それが二体・・・」
「おもしろくなってきたぜ!、ハク行けるか!」
「元よりそのつもり!」
「や・・やる気か・・・」
【バベルマキシマイズ】
【オーラディフェンス】
【バベルブレイド】
バベルがヘルファイアタイラントに突っ込む、しかしその巨大な拳がバベルを叩き潰さんと振り上げられる、そして振り下ろされる
ドゴオオオオオオン
まるで地震だった・・しかし今のバベルには余裕で躱せるだけのスピードがある。
それに次いでハクがギガントコングに向かっていく、ハクが食らいつく、コングがそれを振り払う。
「ロクス出来たら、ハクを援護してくれ」
「分かった!」
そしてアンナも弓を構えてコングに狙いを定める、ハクがコングの攻撃を避けて離れた所に狙い撃つ。
【雷矢】ドゴーン
コングに落雷が落ち少し動きが鈍る、そこにロクスが走り込みスキルを放つ。
【剛力戦斧斬】巨大な戦斧による斬撃を飛ばす、さらによろめいた所にハクの爪と牙が襲い掛かる。
それをバベルは横目で様子見ながら
「あっちは、何とかなりそうだな、このデカ物を俺がやればいいって事だな」
バベルもタイラントの攻撃を避けながらブレイドを突き刺すが奴にはなかなか刃が通らない。
「くっそ、デケーし、鈍いなこいつ、鈍すぎてダメージが通らねー」
そしてバベルは右足に集中して攻撃を当てて行った。
何度も何度も右足にアタックを掛けるバベル。そしてやっと右足のダメージが蓄積しタイラントがよろけた所で右足にここ一番の一発を放った。
【バベル波動】ドゴオオオオオオン
その一発でタイラントの右足が吹っ飛んだ、堪らず両手をつき這いつくばるタイラント。
「やっと頭を下げやがったぜ、もう一発」
ヘルファイアタイラントの頭めがけて放った。
【バベル波動】ドゴオオオオオオン
物凄い衝撃音とともにヘルファイアタイラントが仰向けにひっくり返る。
「流石に一発じゃ頭吹き飛ばせねーか」
しかし、もうこうなったら、タイラントが息絶えるのも時間の問題だった。頭めがけて何度もスキルを打ち込むバベル、その度に跳ね上がるもう一つの足もそのうちピクリとも動かなくなった。
そして動けなくなったヘルファイアタイラントを確認したバベルがハクたちの方を向くと、俯せに倒れこんだギガントコングの首根っこを今にも引きちぎらんとしてるハクがいた。
これでようやく魔物の殲滅が終わった・・・
バベルがアンナとハクの所に歩み寄る。
「流石にちょっと疲れたな」
「大丈夫ですか、バベル様」
「あぁ、アンナも頑張ったな」
ロクスは信じられないといった顔つきでバベルに声を掛けて来た。
「流石はバベル殿、あのヘルファイアタイラントを一人で討伐するとは」
「みんながギガントコングを受け持ってくれたから集中できた、さすがに二匹はきつかったかもな」
「いやはや脱帽でござる」
そして避難してる人たちにもう魔物の脅威は去ったことを知らせるべくみんなは戻った。
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