第36話 ギルドへの報告
バベル達はベイロードダンジョンを後にし山を下っていた。
「しかしクエイドが話の分かるドラゴンで良かったな」
「ドラゴンって喋れるんですね」
「大体ドラゴンは喋れるぞ」
「バベル様はやはり他のドラゴンも見たことが有るんですか?」
「おぉ、何頭か見たな。でも今回も白虎に救われたようなもんだな」
「父上は偉大だ」
「ちゃんとあたしにも感謝なさいよ、あたしがいなかったらあの力の在りか分からなかったんだから。」
「ハイハイ女神様・・・」
次にどの力を探しに行くかという話になったが、アンナの提案でここからならベステアも近いので一旦冒険者ギルドへベイロードダンジョンの報告に行こうと言う事になった。そしてベステアの町にまた戻って来た。
「懐かしいですねバベル様」
「そうだな、ここでもいろいろあったな・・・」
冒険者ギルドのドアを開けて入った。
「あーお久しぶりですバベル様とアンナ様」
受付嬢がすぐ出迎えてくれた。
「バベル様のご武勇の噂はさっそく聞こえて来てますよ、なんでも共和国とこの帝国に休戦をもたらしたとか」
「そ、そうか、大したことしてないけどな・・・」
その話を聞きアンナが得意げに言った
「バベル様は、ご自分で思われてるより立派な方ですよ」
照れたように鼻を擦るバベル。
「そうだ、ベイロードダンジョン行ってきたんですよ」
「え!あのゴールドランク以上推奨の!?」
「たいしたことはなかったよな、クエイドというドラゴンに会って来た」
「え!?ドラゴンいたんですか!?」
そしてバベルとアンナはその経緯を話した、
ついでに道中で確保した魔物の素材になりそうなものを出した。
「ブラッドパンサーの大牙に、メタルゴーレムの核、黄金蟲の羽・・・・etc」
「それとこれは、クエイドに貰ったから渡せないけど」
そう言って指にはめた赤い宝石の指輪を見せた。
「それって・・・ドラゴンズ・レッドアイ・・・わわわわ、大ニュースですよこれ・・・」
受付嬢が調べるとクエイドというドラゴンは伝説とされてるドラゴンだった。
大地の守護者にてその怒りは大地の怒りと古代より恐れられてるドラゴンの一頭。
その存在が確認されたのは、冒険者ギルド始まって以来の快挙だった。
アンナの冒険者ランクも初心者の木のプレートからシルバーのプレートに一気にあがったのであった。大量の報酬を受け取り、アンナも満足げだった。
「見てくださいこのピカピカのプレート、首から下げとこうかな、フフッ」
「良かったな」
「三段階昇格なんてギルド始まって以来なんですって、聞きました?バベル様」
「はいはい、アンナは多いに貢献してくれましたので」
アンナが頬を膨らませながら言った。
「私だってパンちぎったり、石像の復活を発見したりしました。」
「パンは無駄になったが石像は役にたったな。」
「・・・・」
「せっかく町に来たから宿に泊まって飯にするか」
「そですね」
そしてバベル達は久しぶりにベステアの宿に泊まり温泉に入った。
「あーいいよな温泉は、疲れが取れるというか心が休まる、どうだハク人間の世界は」
「思ってたより良いものだな、どの人間も一生懸命生きてる」
「そうだなーみんな一生懸命だよなー色んな事に。」
一息ついてみんなで夕食を取ることにした、相変わらず旨い旨いと食べるハクを見てバベルは和んだ。次の目的地をどこにするか話してた時だった。冒険者ギルドの受付嬢のリアが息を切らしてきた。
「お食事中にすみません、探しました、バベル様達に緊急の依頼があるんですけど」
とても急いでいるようなので話だけ聞くここにしたが、食事が終ってからで結構なので一度冒険者ギルドに来て欲しいとの事だった。リアの慌て様に只ならぬ事が起こってるのではないかと、皆気になって仕方ないので、早めに食事を終え、ギルドに向う事にした。
冒険者ギルドに入ると、待ってましたと言わんばかりに受付嬢のリアが駆けて来た。
「あぁすみませんバベル様と皆さま」
「どうしたんだ?」
すると奥から冒険者ギルドの支部長という男も出て来た、何やらギルドの裏でも慌ただしく人が走り交っていた。
「初めまして私はここの支部長を務めさせて頂いてるクラウスと申します。」
「現在すごい数の魔物の群れがブリストア渓谷から、ベリーサ村の方へ進行してるという情報が入りまして、大急ぎで高レベルの冒険者に呼び掛けている所ですが、なかなか集まらなくて・・・・」
それを聞いたアンナが急に青い顔をしだした。
「それ・・・私の村です・・・どうしましょバベル様」
「すぐ行くしかねーだろ」
「有難うございます、魔物の中にはかなり高レベルのも交じってるという情報です。」
へなへなと座り込むアンナ・・・
すぐそばにバベルが寄りアンナの肩に優しく手を置いて言った。
「大丈夫だ、今の俺達ならできる、座り込んでる場合じゃないぞ、いくぞアンナ!」
そして一行はすぐにベリーサ村に向かった、ここから馬車ならすぐだ、大丈夫間に合うと皆言い聞かせるように・・・
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