第15話 古き友を訪ねて




 翌日、朝日の射し始めたころ、冷え切った静けさの残る平原で二人は気持ちのいい朝を迎えた。


「おはよーございます、バベル様。んー野宿で迎える朝も気持ちいいですねー」


「そうだな。今日は、ちょっと飛ばしていくからな、しっかり食べとけよ。」


そしてバベルは、ブリストア渓谷を抜けた、カラコルム連峰の一つの、ある霊峰を目指す事をアンナに伝えた。


「山登りですか?山登りは得意ですよ、小さいころからよく登ってましたから。」


「へばったら途中で置いていくからな、シッカリついて来いよ。」


「分かりましたであります、教官!」ビシィ


朝食を終え準備をした後に、しばらく歩き平原をぬけブリストア渓谷にさしかかる。

そこでも依頼内容のブリストア渓谷探索内容を確認し、シャドウを展開しながら対象害獣を素早く狩っていく行くバベルその先々でも時々【バベルの力】を持ってる獲物が現れる。


___テッテレー【バベルブレイド】獲得___


バベルブレイドとは己の手刀を硬質な刃と化し敵を貫く技であった。

これを得たバベルの狩り速度はさらに加速する。

広範囲にシャドウを展開しダッシュで狩っては戻ってくる。

それにどうにか追従するアンナ、もちろんバベルがアンナが着いて来れる程度に戻ってきているからである。広域な探索力とバベルブレイドで鬼人のごとくバッサバッサと狩り進むうちにいくつかの力も取り戻す。


___テッテレー【バベルハイスピード】獲得___


___テッテレー【オーラディフェンス】獲得___


___テッテレー【マジックドレイン】獲得___


そうして日も暮れかかったころに渓谷をぬけ小さな村合にでた。そこで村人にお願いして薬草と獣の肉を分け少しの食料と納屋で一晩泊まらせてもらうことにした。


「あー古い友がいてな・・・」


「バベル様のお友達ですか!?それはまたお強い人なんでしょーね。」


「人では無いがな。」


「そ・・そうなんですね・・・」


「ある意味、師ともいえる。」

「まだ俺が暴勇と呼ばれる前の古い友だ・・・」




  ~~~~~~~~十数年前~~~~~~~~~


 まだバベルが闇に染まってなかったころただ純粋に力を求めて鍛錬を積み

強き者を探しては闘いを挑んでいた頃に、その霊峰に辿り着く。


 「こんな所に何用で来たのだ人間の青年よ・・・・」


 「あんたが聖獣と呼ばれてる白虎か?」

それはとても大きな白き虎だった、その佇まいは神々しく威風堂々としてた。


「俺はバベルっていうもんだ、手合わせ願いたい。」


「フフ、我に手合わせとは、命知らずにも程があるぞ・・・よかろう我の永劫ともいえる時の暇つぶしだ、お前のその胆力に免じて相手してやろう。」


そういうと白虎は人の姿となった・・・


さすがのバベルも全く歯が立たなかった・・・

全ての技が、力が全く通じなかった・・・


「人間にしてはやるようだが、まだまだ力の使い方が雑だのぅ」


それから何度も・・・来る日も来る日も白虎に挑んだ・・・


「お前の力は強い、だがそれだけだ、それを研ぎ澄ませ、一点に凝縮させるのだ。」


そうして何度も挑み続けるうちに攻撃が当たるようになり、ついには互角の闘いをするまでになった。


しばらくしてバベルは白虎に別れを告げに来た。もっと世界を知るたびにこの力を試す旅に出ることを伝えたのだ、その頃にはお互いを友と認識していた。

その頃の白虎は少し危惧していた、バベルの奥深くに時々湧き上がる闇に。


 別れ際に白虎はバベルに問うた。

「友よ、力を得てその力を何に使う。」


「まだ、強くなってみねーとわからねぇ。」


「まだ力を欲するかよ。フフ願わくばその今の眼であり続けよ・・・」


そうしてバベルはまた旅に出た・・・・



  

  ~~~~~~~~~~~~


バベルは往時を懐かしんでいた・・・


 俺の原点とも言えるあの場所に行って友に合わねば・・・

バベルはあの闇と対峙し、己の矜持を失いかけていた。



「はぁーくたくたですー。」


「この先少し険しくなるぞ、このくらいでへばってもらっても困るんだが。」


「私も体力には自信があるほうですが、バベル様基準は無理ですぅー。」


「まぁ今日はがんばったな。そうだ、これを渡しておこう受け取れ」


___テッテレー【バベル君ダッシュ】獲得___

バベルは上位版のハイスピードを獲得したのでいらなくなった。


アンナの頭上にバベル君ダッシュが輝く。


「おーこれで逃げ足は確保ですね。」


「逃げ足じゃねーし俺に着いて来れるようだ。」


「そういえば目的地の霊峰にはなにがあるんですか?。」








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