第14話 決意



 バベルは膝をつき放心状態だった・・・・


そうだアンナ・・・

「アンナどこだ!」「アンナーー」

遠くからアンナの声がする

「バベル様ここですよー」

すぐに駆け寄り、強くアンナを抱きしめた・・・


「バベル様?・・・」


「・・・・・」


「ど・・・どうしたの・・・ですか?」


ゆっくりと落ち着きを取り戻すバベル・・・


とりあえず焚火のところへ二人は戻った。


「あ、アミさん・・こんばんは・・・?」


じっくりとアンナの姿を上から下まで見渡しなにも喋れないバベル・・・


「どういうことか説明してもらおうか、バベル、何なんだよあいつは」


「・・・・・」


「だめだこりゃいかれちまったか?」


「アミさん、なにがあったんですか?」


「アタイにも何がなんだかわかんねーんだよ」

「ただ一つ解ってるのは、レベルが違った、強さの底が見えないほどに、そんなやつが現れやがった」


「あれは・・・俺だ・・・昔の・・・」

ゆっくりとバベルは落ち着きを取り戻し今までの経緯をアミに話し始めた。

女神に力を奪われたこと、その時にバベルの闇も吸い取った事

それが世界に散らばってそれぞれが受け継いだ事

そして女神から忠告された闇の持ち主が居る事・・・


「ふ~ん、」

「ってーことは、あれが闇の持ち主か」


「あいつの俺を見る目・・・弱者を弄ぶあの狂った目・・・完全に楽しんでいやがった・・・」

ふつふつと沸き起こるバベルの怒りの炎


「これはちっとばかり力を取り戻すのを急ぐ必要があるな」


「あいつがのさばってる限りアタイみたいな思いをする奴が出るって事かい・・・」


「・・・・・」


「信じたくないがこの目で見て分かったことがある、昔のあんたじゃないってのはうそじゃないようだね・・・」


「あいつを倒すってんなら不本意だが手を貸す」


「いや・・・それには及ばねぇ、これは俺の問題だ・・・それにお前には・・・・」


「そうかい、好きにしな、だけどあんたの事許したわけじゃないからな・・・・」


「あぁ・・それでいい・・・」


「アタイのこの黒い目がしっかりとあんたの事を見ていることを肝に銘じな」

そういうとアミは立ち去って行った


その後二人は焚火の炎を静かに見ていた

バベルは戸惑っていた、この先アンナと共に旅をつづける事を・・・

アンナをこの先もし守れずに失うことを恐れていた・・・

しかし一人になりまた昔の自分に戻ることも恐れた。


「何を考えてるんですかーバベル様」


「・・・・」


「急に抱き着いてくるのでびっくりしちゃいました。」


「すまんな・・・」


「もしや、よからぬことを企んでます?フフッ」

アンナはバベルの思いつめた表情を見て和ませようとしてた。


「アンナ真面目な話だ、俺は急いで力を取り戻す必要があると感じた・・・」

「アンナはもう家に帰れ・・・」


「今更かえれませんよーだ」


「真面目な話だ!」


「私も冗談で一緒に来てるわけではありません!」


「今日、お前が死ぬのを見た・・・」

「怖かった・・お前を失うのが・・・」


「死んでませんよ?」


「もし、あれが現実だったら俺は耐えられない・・・」


「大丈夫です死にません、いざとなったら逃げますから安心してください」


「何言っても無駄なようだな・・・」


「そうです、私はついて行くと決めたんです。」


「あ、置いていこうとしても無駄ですよ、後を必死においかけますから、そして途中で迷って行き倒れたら、お化けになって憑いていきます。」


「ハイハイ、わかりました、もう寝るぞ、明日は早いからな。」


「分かればよろしいんです、ニコ」


アンナだけは死んでも守ろうと思うバベルだった・・・


バベル様の足手まといにならないように強くならなくてはと思うアンナであった・・・









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