第13話 闇が来たりて

不穏な気配を感じ取ったバベルは急速にシャドウでの探索を急ぐ比較的に安全そうな方角を探る


そしてアンナに告げる

「直ぐに荷物をまとめて南に走れ、俺がくるまで戻ってくるな」


「え?」


もちろんアンナは状況が把握できてない


「詳しい説明は後だ、大丈夫だから従ってくれ」

バベルの真剣な表情に何かを感じ取ったアンナは素直に従う事にした


バベルは、複数の殺意を持った気配が東の町の方から近づくのを察知した


バベルの噂を聞き付けてバベルを狙いに来た賞金稼ぎ逹だった

「今やバベルの野郎は力を失ってくそ雑魚らしいからなー」


「おうよ、今なら容易く首が取れそうだな」


「俺も聞いたぜ昼間あの賞金稼ぎのアミにフルぼっこに、されてたらしいぞ」

「それ、俺も聞いたぜ、手も足も出なかったって」


「今のアミは確かにツエーが、そんなに一方的にやられるんなら俺たちでもいけるな」


バベルは待つことにした、ゆったりと何事もないように焚火にあたりながら・・・

そうしてると5人ほどの男たちが近づいてきた。いかにも荒くれもののようないでたちで、酒を飲みながら来てるものまでいた。


「いたいた、あんたがバベルだよな」


「フン、そうだが」


「おとなしく首いただくぜ」


「大方、そんなことだろうとは思ったが俺も舐められたもんだ・・・」


「知ってるぜ、お前のう・・・!」


ドーン!


バベルはそいつがしゃべり終わる前に一瞬のうちに眼前にせまりデコピンで弾き飛ばした

そう、今のバベルのたった一つの生身で使える攻撃技だった・・・

男は二転三転しながら後方に吹き飛んで、気絶した。


呆然とする残りの男たち、構えることも出来てなかった・・・


「んで、俺の事がなんだって?」


「・・・・」

(誰だよ・・ただの村人っていったやつ・・・)

(やべーよ、パンチでもなくでこぴんで、あの威力はやべーよ)


一目散に逃げていく男たち、あえてバベルは追わなかった、無駄な殺しはしないと誓った・・・それにこれで、近寄るものが減ればいいと思ってた。


そこにアミが現れた・・・

「どうしてあの者達追わないんだい」


「・・・・」


「まーあんたがあの程度の者たちにやられるとは思ってなかったが、少しは面白いものが見れるかと思って来てみたのに・・・」


「ほんとに変わっちまったというのかい・・・」


「過去は替えれないが・・・変わりたいと思っている」


「お前を許したわけじゃないからな・・・・せいぜい多くの罪を懐いて生きるがいいさ・・・・いつかきっと・・・・」


「あぁ・・わかってる・・・」


その時だった二人の背後に一人の男が闇に紛れて立っていた・・・その男の放つ気は闇夜よりもどす黒かった・・・

(こ、こいつは、いつの間にここに居たんだ・・・この闇、そうかあいつが言ってた闇の・・・)

「お話し中の所、大変失礼します、私、デューク・ロック・モンティエロと申します。」


「アミ逃げろ!」


「な、なんだいこいつは!」


「いいから逃げろ!」

構えるバベル、その時横にいたアミが無数のナイフをその闇の主に向かって投げた!

そのすべてのナイフは確実にその男の急所を狙っていた、男に動く素振りはなかった・・・

ナイフはその男の寸前ですべて消えた・・・


「おやおや、これが賞金稼ぎの『挨拶』ですか?」

そしてゆくっりとアミに近づきそっと全てのナイフを静かに返した。


「今日は、バベル殿に挨拶とお礼を述べに参った次第です。」

「バベル殿から素敵な贈り物を譲って頂きましたので」


「おや、バベル殿も少し力を取り戻されてるようですね」

「もっと沢山の力を取り戻さなくては、もっと美味しく・・・おっと」


「それでは、またごきげんよう・・・」


バベルは動けなかった・・あのおぞましい闇に昔の自分を見た気がした・・・



「な、なんだい、あいつは、オイ、バベル説明しろ!」


するとそこにまた闇が戻って来た、脇にアンナを抱えて・・・・


「や、やめてく・・れ・・・アンナだけは・・・」


「バベル様?この方は・・・」


「あちらの木陰からお嬢様がじっと見てるのがみえましたからねー」


「大丈夫だアンナ・・・じっとしてろ」


「バベル殿の大事な人ですか?フフッ」


「大丈夫アンナゆっくりこっちに来い」

アンナがゆっくりと歩き出そうとしたとき、その闇が動きアンナの頭をもぎ取った・・・





「あああああああああああああああああ」







パチン!



「アハハハハハ、幻術ですよ、気に行ってもらえました?」


「それでは、また近いうちに、おやすみなさい」


うっすらと笑い声を残して闇夜に消えていった・・・





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