第12話 冒険者稼業


 ~~~~べルーシュ平原探索~~~~~


二人はべルーシュ平原に向けて歩き出していた。


「なんだかワクワクしますね。」


「いきなりすごいお宝発見したら如何しましょうね」


「ねーよ・・・」


「いきなりドラゴンとか出てきたら如何しましょうね」


「でねぇーし」


「バベル様もっと楽しくいきましょうよ、記念すべき日ですよ」


「あのなー冒険者稼業ってのはそんな楽しいもんでもねーし、地味だし、どろくせー事もしなきゃいけねー結構だるい職業なんだぞ」


「もっと夢のある話してくださいよーつまんないじゃないですか」


「そんな夢のような職業だったらこの世は冒険者だらけだっつーの」


「お前みたいな呑気な考えでやり始める冒険者が一番あぶねーんだよ、命の保証もねーあぶねー事必死にやってどうにか食っていけるんだぞ」


「贅沢できる冒険者なんてそれを乗り越えた一握りだけなんだよ」


そんな話をしながらバベルは報酬対象の獲物のメモを見ていた、バベルにとっては取るに足らないような害獣の名前が並んであった。


「ところでお前薬草は見分けられるのか?」


「薬草なら少しは分かりますよ」


「そっかそれなら薬草ないか気にしながら行けよ」


「はいはい、何かお宝落ちてないか探しながらいきますよー」


フフッ


そしてしばらく歩いていくと平原近くまで来た、そこでバベルはある技を発動させる

【バベルシャドウ】

バベルシャドウとは自分の影を使って広範囲を探索させる技であった、人の気配や獲物の気配それが飛ばした影を伝ってバベル本人に伝達するである、捜索範囲は周囲3キロまで可能であった。

しばらく探索しながら歩くバベルだったがそれらしき気配に該当しなかった。


「んーまだなんーんも該当するのいねーな」


「こりゃ、見つけるのに苦労しそうだな」


しばらく平原を歩いていくと該当の害獣の気配を感じ取った、そして一瞬にして近寄りデコピンで仕留めてくる、そういった事を数度繰り返していると後方にある気配を察知した、

(町の方角からかこの気配は商人とかじゃねーな、あ、あいつだ・・・でもなんであいつが追ってくるんだ殺す気ならとっくにやってるはずだが、たまたまってことはないよな・・・様子見るか)


「はーちょっと歩き疲れましたね、それにさっきからバベル様ばっかり、狩りしてません?つまんないんですけど」


「だから言ったじぇねーか、そういうもんなんだって、少し休もう」


「次獲物見つけたら教えるから、アンナの弓でやってこいよ」


そして警戒と探索を続けるバベルだったが先ほど感じた気配は近づいてくることは無かった。


少し休んでまた探索を再開する、いくつかの気配から絞り込んでアンナがやれそうな獲物に絞り込む

そこにアンナを誘導して弓で射させた。


「たくっ、外してんじゃねーよ」

結局デコピンで倒しに行くバベルだった。


「もちっと弓術の精度上げんとな・・・」


すこししょんぼりするアンナであった。

しばらくバベルが狩りをおこない丸まる太った猪のようなものを担いで戻ってきた。

「ほら、これが今日の晩飯だ」


「!それ食べるんですか!?」


「今日は野宿しながらバーベキューだな」


「野宿!バーベキュー!」


「いちいち驚くな冒険者なら普通だぞ」


火を確保しながら下ごしらえをし、夕食の準備をしながらも

時々シャドウで様子をみるバベル

特に変わった動きはなかった。

それからゆっくりしながら食事をとりつつ


「どうだー記念すべき冒険者の初日は」


「なんか思ってたのと違ってましたけどこれは、これでいいですね」


「まー最初のうちはなぁ」


そうしてウトウトして、寝る前にシャドウで探索すると、怪しげな気配を複数察知した・・・・



(ん、ちょっとこの気配はまずいかもな・・・)







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