第二章 新たなる門出

第11話 幾千の罪を心に刻んで新たなる活動

~~~幾千の罪を心に刻んで新たなる活動~~~




バベルは昨夜はあまり眠れなかった・・・


今まで己が行ってきた行為を振り返っていた、力を求め、またその力を己のために行使し、弱者をまるで虫けらのように見てきた過去、まるでこの地上は己のものであるがごとく立ち振る舞っていたことに慙愧にたえない胸のうちを懐いていた・・・




くよくよしてても始まらねぇ・・・・


これからどう活動していくかだよな・・・


犯した罪は消えねぇけど俺のできることをやっていくまでだ・・・




「おはよーございます、バベル様ー」


アンナがふぁ~と欠伸をしながら起きてきた。






「あぁ、おはよう、アンナ」


この日の朝ほどアンナの存在を愛しく思ったことは無かった。


アンナが傍にいてくれるだけで俺は今の俺であり続けられる。


そう思った・・・




「けがの具合はどうですか~」




「あーもうなんともないよ、」




「さすがは、バベル様ですねー」




「さて本日の予定は、冒険者ギルドに行って、冒険者証明もらって、さっそくなんか依頼をこなしてみますか、今日が私の冒険者としての第一日目となりますかねー」




「そうだな、なるといいな俺がついてるんだ、どんとこい」




そして二人は冒険者ギルドに向かった


アンナがちらちらとバベルの方を見る、昨日の出来事があったのだ、バベルは冒険者ギルドには、あまり近づきたくないはずだとアンナは思慮していたが、なかなか口にだせずにいた。




「あの・・・バベル様、私一人で行ってきたほうがいいですか?」




「大丈夫だ、俺も行く」


これはバベルの何事からも逃げずに受け止めるという意思の表れでもあった。


その口調にはしっかりとそうした意思を感じさせるものがあった。




にっこりとアンナは微笑んで 二人で冒険者ギルドへと入って行く。




受付嬢が出迎える


「お待ちしておりました、アンナ様の冒険者証明書を発行させて頂きます、それとこちらが冒険者を示すプレートです。」




木製の名前が刻まれた首からもかけれるプレートだった、常時かける必要はないとのことで必要があれば、提示すればいいとのことだった。




そして依頼などの簡単な説明を受ける


依頼には常時任務と、請負依頼があるようだった、常時の物はダンジョン探索や指定されたエリアの探索薬草などの採取等その時期などで設定されてだれでもいつでもその条件を満たせば、それに見合った報酬が支払われるとのことだった、一応冒険者ランクによる目安はあるが完全に自己責任とのこと




請負依頼というのは、誰かが特別にギルドに依頼してそれを請け負う冒険者を募集するものだという


その条件は最初にある程度設定されてるが、詳細は依頼人との交渉で請け負うかきまるようだ。




「バベル様、記念すべき第一号はどれにしましょうか、」


とりあえず常時任務の掲示板を見る、


「いつでも行っていいんなら、いくつか見繕って報酬条件メモしておけ、最初だからこれとこれとこれとこれくらいかな」




「いきなり、そんなにですか!?」




「いや、どんなもんかやったことないけど、たいしたことないだろ」




「あのーバベル様基準じゃないですよね?」




「こまけーことは気にすんな」




「・・・・」




かくしてアンナの冒険者としての記念すべき日は始まったのであった。






 ~~~~べルーシュ平原探索~~~~~




べルーシュ平原とはベステアから西のブリストア渓谷に向かう途中の平原だった、そこでなにか異変はないかと害獣駆除と薬草採取が報酬条件だった




馬を借りるか徒歩で行くか話し合ったが、特に時間の制限はないのでのんびり徒歩で向かうことにしたのであった。








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