第6話 門出
バベルはこれまでの己の行いを悔い、力を取り戻したら、次は今までとは違う道を行こうと決心した。人が変わるという事は簡単な事ではない。けれどもこのまま何も行動を起こさなければ、バベルにとっては死んだも同然であり、過去の己を肯定してるようで、それが許せなかったのだ。
そうして二人はバベルの力を取り戻しつつ世界の均衡をまもる旅に出た。
「しかし、力を探すたって当てもねぇしなー」
「当てなんていらないですよ、困ってる人に手を差し伸べていけば、そのうち力にも出くわしますよ」
「お前さぁ・・・もしかして女神か・?」
「・・・ぇ?、ど、どういう意味ですか?」
「困ってる人に手を差し伸べるって、人間ってのはそういうものなのか?、それともお前が特別なのか?」
「私は、正真正銘の村娘ですよ・・第一女神なら今までのように苦労しませんよぉ」
「そうか・・・」
そうこうしてるうちに少しだけ栄えた小さな町にたどり着いた。
このベステアという町ではいろんな国や町にむかう通路の交わったところで宿場が発展してできた町のようでいろんな国の商人がいた。
「なんか視線が痛いな・・・」
「そりゃ・・バベル様は有名ですからね・・・今はすごく弱いって噂で。」
「おまっ」
するとどこからともなく小僧がバベルの目の前に急に現れた。
「あぶっ、おい小僧どっからでてきた」
「小僧じゃないやい、アバシーって名前がちゃんとあるんだい!」
あ、こいつ俺の力受け継いでやがる!
『返してもらうぞ俺の力』
「やなこったい」「バベル君ダーッシュ」ピューン
あっという間に小僧は見えなくなった。
(あーあのダッシュを受け継いでやがるのかぜひとも奪い返したいが
相手が子供じゃ力ずくってわけにはいかんよな?・・・)
「当然ですよ、バベル様・・・」
「ギクッ、な、なんでわかったんだよ」
「今力ずくで取り返そうかって顔してましたよぉ?」
「そ、んなわけねーだろうが昔の俺じゃねーし。おいアンナちょっくら町のやつにアバシーってやつの家知らねーか聞いてみてくれねーか?」
「はぁーまったく、力ずくはだめですからね?」
「分かってるって」
そして町の商人などにアバシーのことについてそれとなく聞いてみることにした。
するとあんたもすられたのかい、諦めなあいつは早すぎて捕まえれんといった声や、
まぁーかわいいもんさ盗むのも選んで小さなもんだけとっていきやがると、評判はあまりよくなく、だれも家は知らなかった。
「聞いてきましたーバベル様、どうやらあまり評判はよくなく、スリとかしてるみたいです。」
「ぇ、ってことはなんか盗まれたか?俺は金なんてもってねーが」
「あー小銭入れがありません・・・」
「たくっ、しっかりしろよ、あんだけ早けりゃ捕まえるのも一苦労だしな。」
そうこうしてるとまた目の前にアバシーが現れた
「にいちゃんバベルって言うのかい?」
「あーそれがどうした小僧。」
「昔はめちゃくちゃ強くて最強だったったてほんとかい?」
「あー昔の話だ忘れちまった・・・」
「今はどうなんだい?山賊より強い?」
「あー山賊くらいなら楽勝さ。」
「ほんとうかい?ねーちゃんこれ返しとくね」
「んじゃ、まったねー」「バベル君ダーッシュ」ピューン
「あいつ絶対あの技気にいってるよな・・・」
といいつつ返しても財布の小銭半分はもっていくアバシーだったが気の優しいアンナは小銭の半分くらいならいいかとあきらめてしまうのであった。こういったまぁーいっかといった小さな盗みを、町の人間ではなく他所から来た者をねらって、おこなっていたのである。それが町の者に憎まれてなかった理由でもあった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます