第5話 新たなる旅立ち
婆さんを弔ってしばらくしたその朝バベルは旅立つことをアンナに告げた・・・
「アンナも雷矢覚えたし、一人でもこの農園守れるだろう、俺は俺の力を取り戻す旅に出ることにするよ・・・」
「・・・・」
「バベル様は一人で決めて相談するでもなく行ってしまわれるんですね・・・」
「えっと、今相談してるつもりなんだけど・・・」
「相談っていうのは相手に選択権がある聴き方をするものですよ・・・」
バベルは本当はアンナと一緒にいたかった。出来ることならアンナについてきてほしかった、でもそれは危険な旅でもあった。
「わかってますよ、バベル様は本当はとても優しい・・・」
「違う俺はそんな奴じゃない・・・今までどんなことしてきたか・・・それに俺と一緒に来れば、危険がつきまとう・・・」
「ほら優しい、バベル様はやり直したいんでしょ、でも今のバベル様は敵だらけ、それにそんなに強くない・・・例えすべての人が敵だとしても私はバベル様の味方です」
「・・・・・」
必死に涙をこらえ言葉を詰まらせるバベル。今までに自分にそんな事を言ってくれるものがいただろうか。
「バベル様の前に100の敵が現れれば10くらいは私の弓で減らしてあげます。たいした力にはなりませんけど・・・料理はできます、くじけそうになっても励ますことだって。バベル様さっきから黙ってては相談になりませんよ、困ったらなんていうんですか?」
「俺と・・・」
本心ではアンナを誘って一緒に冒険に出たい。だがそれは、そんなに軽い言葉では無い事をずっと考えてきた。これまでの自分と今の自分。
「俺と?・・・結婚はまだできませんよ?ププ」
バベルとアンナがほっこりと笑う・・・
「アンナ、俺と一緒に来てくれるか!?」
「はい喜んで地の果てまでもお供しますよ、断ったって付いていくつもりでしたよぉ」
そうして初めてバベルは仲間というものが出来た。その先の試練や計り知れないが、アンナがいる限りバベルは昔のようにはならないだろう。そして正しき力の使い方を覚え大英雄バベルと呼ばれる日が来るのはいつのことか・・・
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