第6話武器



3日目。

今日もダンジョンで戦う日々だ。


カードマスターとオークの死は、ショックだった。

しかし後戻りなんか出来ない。

ネットでは、カードマスターを引退表明する人も現れている。

残念な話だ。


俺は、やるしかない。



コンパウンドボウを「ギュッ」と引張って放つ。

え!急に走るから頭に当たったぞ。

それなのに頭を呆気なく貫通して通路床まで「カン」と当たる音が響く。


呆気なくゴブリンは消えている。


ゴブリンの頭は、頑丈なのに。

なんで。


魔石を拾って矢が落ちてる場所まで駆け寄る。

なんと床に穴が開いてる。


ダンジョンの床や壁は、異常に硬いのは有名だ。

それなのに・・・・・・


ツルハシで叩いても傷1つもつかない。

自衛隊が鉱山用発掘ドリルを使っても穴が開けられなかった。

それなのに凄い矢になってしまった。



それからは、ゴブリンの頭を狙って矢を放つ。

嘘みたいに倒せるぞ。

俺が倒した数24人。



「ギ、ギャー、ギ、ギャー」


なんかゴブにも戦わせろと言ってるみたいだ。

ああ、1回も戦ってなかった。


「悪いゴブ・・・そうだ!2階へ行こう。2階なら2、3人のゴブリンだから」


すでに階段の場所は見つけている。


「ギ、ギャー、ギ、ギャー」


「わかったよ。次のゴブリンは、ゴブに任せるって」




ゴブリンがやって来たので腹に矢を命中させる。

痛がるゴブリンに、コブがこん棒で殴りつける。

あ!外れて頭でなく肩だ。


「ボキッ」と骨が折れる音がしたぞ。


もう1発殴ってゴブリンは消えた。


「ギャー、ギャー」


ああ、喜んでるぞ。




やっと2階へ行ける階段だ。


「分かっていると思うが相手は複数だ。油断するな」


「ギャー、ギャー」


ああ、分かってると言ってる。




複数のゴブリンの声でコンパウンドボウを「ギュッ」と引張る。

あ!見えてきた。

その瞬間に矢を放つ。


頭に命中して仕留めた。


そんな仲間を気にしないで走ってくるゴブリン2人。


ゴブもいつでも殴れる体勢だ。


俺も矢筒から矢を取ってつがえて放つ。

命中しやすい腹に命中。

そのゴブリンの足が止まった。


もう1人のゴブリンとゴブの対決だ。


「ゴン、ゴン」とこん棒がぶつかる音が響く。


腹を押さえながらゴンを狙って来ている。

2人ならゴンが負けてしまうぞ。


またも矢をつがえて向かってくるゴブリンの頭を狙う。

容赦なく矢を放つ。


命中した瞬間仰け反って倒れながら消えてゆくゴブリン。


ゴブの方を見ると戦いは、終わってた。

どうやら1発殴られたようだ。


ゴブの体を触るとHP8だ。

これなら大丈夫だろう。



「ゴブ、帰るぞ」


モンスターマスターが死んだことで進む気にはなれない。

安全が第一だ。


地下2階は、俺らには力が足りないようだ。

だから出直す。


1階でゴブを戦わせることにする。




コンビニの買取をしてもらう。


魔石70個×300円=21000円


「昨日より多いね。最初は心配だったんだよ。あんたみたいな16歳に、こんな仕事させるなんて・・・しかし、これなら安心だね。だけど無理はしないように」


ああ、おばさんの励ましだ。


ノートパソコンを操作しながら「無理しないよう頑張ります」と言ってコンビニで弁当を買って帰る。




家でノートパソコンでゴブの武器になりそうな物を探しまくった。

冒険者用武器サイトを見ても良い物は、20万や80万だ。

無理したら20万なら出せそうだが無理は禁物。


冒険者ギルドを見てたらオークの骨が売ってた。

ギルドも研究対象として大量に買取ったが、利用価値0として売り出したみたいだ。


俺は、この骨なら使えると思ってEnterを押して注文したよ。

1本4000円で10本も買った。


ああ、楽しみだ。

なんとギルド経由でコンビニに明日の12時に届くらしい。


だから魔改造する道具もネットで買った。

それもコンビニに届くように設定している。

道具も12時頃に届くみたいだぞ。





今日は、11時半頃に家を出てブラブラ歩きながらコンビニに向かった。

12時に着くように寄り道もしたよ。


4日目だが冒険者生活に余裕が出来て楽しい。

川の流れる音も心地よい。


あ!コンビニにトラックが停まっているぞ。

それに荷物が運び込むのが見えた。

歩く速度が早歩きになって、もう駆けていた。


あ!村長が荷物の受け取りにハンコを押してるぞ。


「村長!荷物が届いてませんか」


「ああ、君か・・・荷物なら2つが届いているよ。今日はダンジョン探索は休みかね」


「はい、荷物がダンジョンに必要なんで」


「そうか、そうか」


伝票にサインして「あ!身分証明を持って来てない」


「いいよ、わしが保証人だ」


そんなんで良いらしい。


ルンルン気分で荷物を持って帰る。

途中、何度も休憩して運んだ。

骨って重いんだ。





ようやく家に持ち込んだ。


ダンボールを開けて骨を取り出す。

ブンブンと振って確かめる。


「なかなか良いぞ。重みもあって硬そうだから、これなら武器になれるぞ」


もう1つのダンボールも開けて道具を取り出す。

こっちは電動ドリル、ヤスリ、取っ手など多数。


骨を足で押さえて「ガガガガ」とドリルで穴を開ける。


「なんだ、この硬さは・・・穴を開けないと、頑張ってやるか・・・」


なんとか2本の骨に取っ手を差込む穴を、何度も開けたよ。

大きい径のドリルなら1発でOKなんだが仕方ない。


開いた穴を半丸ヤスリで、滑らかな穴にするのに「ゴシゴシ」と削る。

何度も取っ手で穴の径を合わせて「ゴシゴシ」と削る。


「これぐらいで良いか」


取っ手を差込んで、反対の穴からワッシャーとボルトで固定したら完成だ。


骨の『トンファー』が完成だ。


取っ手を握って「ブンブン」振り回す。


「お!良い感じだぞ」


琉球古武術のように上手く扱えないが、ゴブにさせるからいいや。

ひじをかばうように持てば防御にもなる。

今のゴブは、防御力0。

きっと役に立つハズだ。


そして「ブン」って振り回せばリーチ以上の攻撃が可能だ。

めちゃ良いじゃん。



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