第5話戦い2
午前9時に開店したコンビニに入る。
客は俺だけらしい。
昨日の賑わいは、なんだったんだろう。
取りあえず弁当、おにぎり、お茶を買って金を払う。
そしてカウンターに入ってノートパソコンを開き電源を入れた。
マウスを使って冒険者ギルドに接続。
ようやくカードリーダーが読める状態だ。
なので冒険者カードを読ませる。
ああ、面倒だ。
パソコン音痴のおじさんも居るから仕方ない。
そのおじさんは、トイレ掃除だ。
「なんでワシがトイレ掃除なんだ。昨日終わった時にしろてんだ。こんなに固くこびり付いてるぞ」
コンビニを出てダンジョン出入り口に向かって歩く。
鍵で扉を開けて入る。そのまま階段を軽やかに下りる。
そして安全エリアで「召喚」と唱えた。
モンスターカードが消えて、おなじみのゴブが召喚。
「ギ、ギー、ギャー」
「え!それって挨拶か」
まあ、良いけど・・・・・・
コンパウンドボウの準備をして歩きだす。
前回に行ってない通路へ急ぐ。
あ!ゴブリンだ。
ゴブも分かったように、こん棒で殴る構えだ。
狙いをさだめて矢を射る。
ズバッと突き刺さった瞬間には、ゴブが頭をこん棒で殴りつけていた。
一発で倒して魔石だけが残った。
「昨日より良い動きだな」
「ギャー、ギャー」と返事するゴブ。
あ、わかれ道だ。
右に行くか左にしようか、どっちがいいだろう。
え!ゴブが左に、こん棒を向けたぞ。
俺には、分からない気配か臭いが分かるのか・・・・・・
同じゴブリンだから思うように試してみる。
左に行って正解だった。
警戒して進んだから飛び出したゴブリンにも対応出来た。
矢を射って首に命中。
「シーシー」とかすれる声をだしながら倒れる。
俺1人でゴブリンを倒したぞ。
なんか嬉しい。
そんなゴブが寂しそうに魔石を拾って来た。
「ありがとうなゴブ」
「ギャー、ギャー」
これって喜びとOKの時に発する声だな。
俺って天才かも。
もうゴブに任せたらゴブリンの遭遇率は半端ないぞ。
昼の12前には、20個の魔石が手に入った。
3時間で6000円だ。
1時間2000円の時給と考えれば、大当たりだ。
「弁当を食べるから見張りを頼むぞ」
「ギャー、ギャー」と返事するゴブ。
「ああ、食った」
おにぎりのフィルムを
「ギャー、ギャー」と言って、おにぎりを受取って食べだす。
ああ、ゴブリンも食べるんだ。
なら毎日買ってやるか・・・・・・
12時30分から始まった戦いで魔石以外に尖った牙4本がドロップしたぞ。
直径が8ミリで長さは10ミリ。
それも真っ直ぐな牙だ。
なのでゴブの口をのぞく。
まぎれもないゴブリンの牙だ。
自衛隊の報告にはないドロップ品だ。
これって矢の先につけたら使えそうだな。
腹のポーチに仕舞い込む。
17時には、コンビニで魔石を買取ってもらった。
魔石52個×300円=15600円
中々な値段だよ。
それで家に帰る。
矢の矢尻をゴリゴリしながら取った。
そしてナイフで削ってコンビニで買った接着剤をぬりつける。
ゴブリンの牙をつける。
念のために釣り糸でグルグル巻いて完成だ。
中々な出来栄えだ。
後3本も矢尻をゴリゴリと取る。
ナイフで削って接着剤でつける。
あ!中心からずれた。
コンコンと叩いて中心に寄せることに成功。
乾きが速過ぎだよ。
またもグルグル巻いた。
後は、乾くまで矢尻を上にして矢筒に放置だ。
暇だからノートパソコンを開いて電源を入れる。
投稿サイトでモンスターカードのオークで戦う動画を見る。
あ!オークから逃げたオオカミが召喚した人間を噛みついたぞ。
めちゃ痛そうだ。
そのオオカミを引張るオーク。
オオカミの首に噛みつく。
一瞬でオオカミが消えうせる。
あんなに太っているのに、なんて動きだ。
噛まれた人間は、ピンピンしてたよ。
人間のダメージは、なぜかオークが引き受けるらしい。
オークの腕に噛まれた痕が残っている。
それは不思議な現象だが誰も説明できない。
人間も噛まれた瞬間、痛さを感じるらしい。
なので攻撃されないように注意は必要だな。
俺も痛い目にあうのは御免だ。
そしてモンスターのHPが0になれば死んでカードも消滅。
なので0になる前にカードに戻して、1時間で1ポイント回復するらしい。
オークのHPは、40。
ゴブリンの4倍だ。
あれ!新しいコメントだ。
あのオークが死んだ。モンスターを召喚した人も死んだらしい。
あまりにも衝撃に、俺は真っ白だ。
やっと我に返った。
情報発信の冒険者ギルドのホームページを見る。
詳しい内容が書かれている。
それは、通路で座って昼飯をしてる時だった。
運が悪いのか両方の通路からオオカミがやって来た。
それも合わせて10頭のオオカミだ。
戦う姿勢でないのでオオカミの先制攻撃を受けたらしい。
怪我をした状態で防御に徹し続けた。
6人パーティーでオオカミに囲まれて、どうにか戦いに勝利。
生き残ったのが5人。
重傷者2人。
軽傷者3人。
死者1人。
その死者がカードマスター。
最後まで守り続けたオーク。しかし力尽きて死んだオーク。
だからカードマスターも1回の攻撃で呆気なく死んだ。
それは、仲間の報告だった。
オークが死んだら、タダの人だから仕方ない。
あのカードマスターは、戦いをオークに任せきりにしてた。
見守って命令する。それだからダメなんだ。
俺みたいに戦うことは大事だ。
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