第2話冒険者登録
夕食に俺は、階段を下りる。
「話したいことがあるんだ」
母親はビックリしてた。そして涙して喜んでいる。
「マサルちゃんが部屋から出るなんて・・・」
また泣いてる。
いやいや夜に、こっそり出ていたよ。
「話はなんだ」
「俺、冒険者になる・・・・・・だから賛成して欲しい。『いじめ』の件も俺なりのケジメをつけるので迷惑を掛けるかも・・・・・・」
ちょっと間をおいて「好きにすればいい」と父は言った。
そして限界集落に行って冒険者になる話まで一気に話した。
「夕食は、下で食べる」
「いや・・・明日に冒険者登録して村に行くから・・・・・・」
「え!そんなに急に・・・」
父は「好きにさせなさい」と一言を・・・
俺は2階に上がり部屋に入って、ポロポロと涙した。
朝早くから出かけて電車に乗った。
行き先は、東京の冒険者ギルド本部。
新幹線に乗って東京駅で降りる。
ちょっと歩いて20分。
見上げると『冒険者ギルド本部』と書かれたビルが建ってた。
中に入って案内板を見る。
成る程、あそこか・・・
建物は立派だが、ザッと見ると人は少ない。
冒険者登録の受付で番号紙を受取った。
電光掲示板は、7番。
俺の番号は、10番。
10分後には、10番と光った。
なので受付前に行って親の同意書とネットで登録したナンバーを名乗る。
「36542番の
「犯罪暦は、ありませんか・・・・・」
「はい、ありません」
「手数料も振込み済みなので、この券を持って2階の6番会場へ行ってください」
番号と同じ番号が書かれていた券を持って2階へ。
「え・・・と、ここか」
中に入ったら小さな映画館のような・・・前にはスクリーンがある。
席はガラガラで9人しか居ないぞ。
やっぱ冒険者は、少ないようだ。
カツカツとハイヒールの足音が・・・・・・
「皆さん、冒険者講習にようこそ・・・只今から冒険者講習の映像を見てください。1時間30分の上映です。やもえない理由で上映中の退室は、ドア外の私に申してください。10分のトイレ休憩を始めます」
速攻で出て行ったのは、ボサボサ頭のおっさんだ。
そうなると俺を入れて10人の講習者だけかよ。
これで冒険者が人気ないって本当のようだ。
あの特番の『冒険者の1日』って嘘っぽいぞ。
あ!おっさんが戻って来た。
あの女性が出て行くとブザーが鳴って暗くなった。
そして映像が映し出される。
ああ、退屈だ。
同じような動画なら嫌って程見たよ。
まったく同じ映像がネットで流れていた。
やっと終わったぞ。
ゾロゾロと会場をでる。
「登録カードは、冒険者登録窓口で番号のまま受取ってください」
1階に下りて列の最後に並ぶ。
ああ、呆気ない。それでも不人気な冒険者。
俺も冒険者カードを受取って、東京冒険者ギルド本部を出る。
そのまま東京駅に向かう。
行き先は、長野だ。
上越新幹線に乗って、いざ長野へ。
飯山で降りて駅を出ると迎えの村長が居たよ。
顔写真も送ったから真っ直ぐに俺に向かって来た。
村長は、行き成り両肩を掴み「本当に冒険者になって村に暮らすんだな」
「はい、俺には、それしかありませんから・・・」
車に乗った。
運転してる人が話し掛けてきた。
「
ああ、この人が44歳の人らしい。
「青島くん、出発だ」
車は動き出した。
するとベラベラと村長が話しだす。
「村の存亡は君に掛かっている。緑の魔石で安全性を確かめるために、魔石を埋めた米や野菜を食べ続ける村民。それと食べない村民で健康チェックも完了してるんだ。だから君には、魔石を取ってきて欲しい。言ってることが分かるね」
村長、顔が近いって・・・・・・
安全が確認されたら大大的に販売するらしい。
緑の魔石って発見されて1年程だ。
今行く所を入れても2ヶ所しかない。
研究もあまり進んでない分野らしい。
もう銀行からも融資を受けている。
ダンジョンの出入り口の前に、午前9時から午後6時までのコンビニを融資でオープン。
そのコンビは、村全員で運営。
コンビニであって、冒険者ギルド支社だ。
地方銀行も乗り気まんまんだ。
やっと村に着いたよ。
コンビニも寄ってダンジョン場所も見た。
そんな村を走り続けてボロい家の前に止まった。
「ここが君の家だ。前の住民は、出て行って家も20万で買った」
え!20万で家や土地まで買ったようだぞ。
限界集落のあるあるだ。
昭和35年に建築された家だ。
土地の広さは272㎡。
建物の間取りは4LDK+物置で、平屋なのに延床面積は90㎡もある。
雑草も刈ったばかりのようだぞ。
村人が刈ってくれたようだ。
中に入る。
全面的にリフォームされており、かなり状態は良い。
1年前くらいまで家族が住んでいた。
家賃は、魔石らしい。
そして、この家が俺が住むのか・・・
それにホコリもないってことは、掃除もしてくれてたのだろう。
あ!新しい布団セットもあった。
これで1ヶ月間、魔石10個は納品すれば家賃と光熱費はタダになる。
それ以降の買取は、1個300円。
どんだけ安い魔石だ。
「きみーー、居るか」
え!さっき会った村長の声だ。
なんか急用かな・・・・・・
玄関に行くとダンボールを持って入ってきた。
「今、届いた荷物だ。この荷物って少なくないかい・・・・・・」
「ああ、武器として購入したコンパウンドボウですね」
「どれどれ見せてくれるかい」
テープをはがしてダンボールを開けて見る。
「ほう、普通のアーチェリーと違うもんだね」
ああ、
「滑車と連動することによって効率良く引くことが可能なんです。また、引き切ると滑車の仕組みでレットオフと呼ばれる保持力が軽くなる仕組みです。狙っている間の保持力が少なく狙いが安定して、初速の向上と相まって高い命中精度になるみたいです」
「え!やったことはないのかい」
「今から練習します」
そのダンボールを的がわりにして外で練習だ。
村長も気になって見ている。
最初は、失敗続きだが何回もやってると当たるようになる。
安心した村長は、帰っていった。
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