コブリンカード最高だ

@katuniro

第1話いじめ




俺の中学時代は、最低だ。

3年生で突然の出来事だった。

それは『いじめ』だ。


理由なんかない。

俺も2年生の頃に『いじめ』を見て見ぬ振りをしてた。

それが俺の身の上に起こるとは、思いもしなかった・・・・・・ああ、惨め過ぎる。


『いじめ』で先生に話したのに、『いじめ』はなかったことに・・・

母親も掛け合ったがダメだった。


学校では、話にならないと教育委員会に訴えた。

教育委員会は、アンケート調査や当事者に聞き取り調査したが『いじめ』はないと結論。

え!これって自殺してもダメなパターンだ。


そんなこんなんで、中学校もなんとか出席など誤魔化して卒業させられる羽目に。

なので高校なんて行けない。



もう、家で引きこもりをしている。

1年間もネットゲームをして月日が過ぎる。




そんな諦めムードの俺に、ネットニュースでいい情報が入ってきた。

今年の2月から16歳でダンジョンに入れるらしい。

以前は18歳からだった。


日本政府の緊急な知らせで、ネットやニュースでも大騒ぎしている。

それには理由があった。

ダンジョンは、資源の宝庫。


モンスターを倒すとモンスターは消えて、魔石が残る。

魔石には、色々種類があって黄色の魔石は、電気が発生。

その電気で電気自動車も楽々動く。

クリーンエネルギーの誕生だ。


だから都心でも魔石を使った小型発電所が大流行。


電気は送電線を伝わって何ヶ所もの変電所を経由し、配電線に伝わる。

その中でも電気の送電ロスは、発生する。

ならば近くで小型発電所があれば、その送電ロスも減るって仕組みらしい。


だから政府は、魔石を欲した。

企業も人々も・・・



なので民間にも18歳から自己責任で開放。

その民間人を冒険者と呼ぶようになるのも早かった。

その民間人をまとめる機関で『冒険者ギルド』も政府職員が担うようになるのも自然だ。


しかし、日本人は平和ボケしていて冒険者になる数が少ない。

それに対してアメリカや中国では、民間人の冒険者が多い。


それは当たり前だ。

銃を持たせてくれないで日本では、ナイフ、刀、槍、剣、アーチェリーで戦うしかない。

命を引き換えにした仕事だ。誰もが敬遠するよ。


政府は、銃を持たせるのを嫌った。

アメリカのように銃社会の恐ろしさを知っているからだ。


人口比でも10人に12丁という高い保有比率になっている。

まことにアメリカの銃社会ぶりを象徴するデータといえる。


1999年4月20日

コロラド州の高校で男子生徒2人が銃を乱射、生徒ら13人死亡(コロンバイン高校乱射事件)


2007年4月16日

バージニア州のバージニア工科大学で男子学生が乱射、学生ら32人を殺害。


2017年10月1日

ネバダ州ラスベガスのホテル32階からコンサート会場に向けた銃乱射で、米国史上最多の死者58人の犠牲者、負傷者は527人。




なので日本政府は、冒険者高校を今年から4月に開校。

その為の発表でもあった。


3年間で人格を判断してから、銃の所持を認める方針に決めたらしい。

それに精神医による精神鑑定も実施する。


更に最悪なのが『いじめ』を受けた人はダメらしい。

高校の銃乱射って『いじめ』られた人が多い。

これって冒険者高校に俺が入れない可能性があるって意味だぞ。


『いじめ』で後々で復讐って俺も考えてもおかしくない。

ああ、詰んでいる。





今は2月だ。

俺の誕生日1月。

だから諦めるのは、早い。

16歳だから冒険者の資格はあるハズだ。


ネットで冒険者高校にかわる情報を探しまくった。


「そして見つけたぞ」


それは、山奥の限界集落で冒険者の応募をやっている情報だったよ。

住所を村に移して、モンスターの魔石を村に売る契約。


ダンジョンが多すぎて政府の管理出来ない不人気なダンジョンでは、委託業務がある。

ここのダンジョンのモンスターは、ゴブリン。

魔石は、緑の魔石だ。


土に埋めて植物の成長を促す効果があるらしい。

しかし、野菜や米は不人気らしい。

遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシが最初から売れなかったのと同じらしい。

食べてモンスターになるってデマも流れたほどだ。


この村は、去年の11月に出現。

自衛隊による調査討伐でモンスターは、ゴブリンと判明。

探索した階数は、地下3階まで・・・・・・


自衛隊は、調査討伐でドロップしたカードを村長に見せた。


「これ1枚で1階なら簡単にゴブリンも倒せるハズです」


その口車に乗ってモンスターカードを村長が20万円で買った。

地下1階は、ゴブリンも1人。

モンスターカードでゴブリンを召喚して戦う算段だった。



村1番で若い44歳の男性に頼んだ。


「嫌々、無理です。相手は弱いって言っても凶暴なゴブリンですよ。自衛隊のカメラ動画を見たでしょ・・・あんなモンスターに戦うなんて無理です」


全ての村民が断った。

無理に頼むなら村を出て行くと言い出す者まで居たらしい。

村長の当てはハズレてしまった。


しかしダンジョンは、放置できない。

放置してモンスターが溢れ出る現象があって、死者まで出る大問題になっている。

スタンピードだ。

放置期間の限界は、6ヶ月。


なので仕方なくモンスターカードと引き換えに冒険者を応募している。

自衛隊の調査から放置期間の限界が迫っている。

それなの応募者0だ。


なので俺は、応募したよ。

速攻で返事が返ってきた。


16歳でもいいって返事だ。

文面は、切実な内容だったよ。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る