どうしよもなくクズで最低で価値のない僕。

傷美

第1話

 例えば、あの時こうしていればよかった。

 そう思うことは誰しもあるとも思う、それは私自身も例外ではなく学生時代から社会人まで数多く後悔をしてきたのだが、その中でも群を抜いて私自身が一番後悔したこと、ここで言うところの黒歴史と言われるものだが。


 この世に生れ落ちてきたことである。


 生まれてこの方、世の中のためになるようなことをせずにただ自堕落に生活をして適当に仕事をこなし、適当に友情関係を育み、適当に恋愛をしてきたわけだがうまく行ったことなど片手で数えるほどしかない、失敗や後悔することの方が圧倒的に多いだろう。

 それでもって救いようがないのは私はその失敗やら後悔した経験から何も学ばないのだ。

 人類が失敗を重ねて進歩してきたというのであれば、私は失敗を重ねて退化しているとまで感じる。

 人は後悔して次はこうならないようにしようと勉強するのであれば、私は次は大丈夫だろうと同じことをしてしまうのだ。


 私と言う人間を文章でまとめると、見栄っ張りで、強がりで、本当は極度の寂しがり屋である一人の人間だ、だがそれを言うと大多数はこう言うだろう。

『それはお前だけじゃないと』

 ふざけるな、私が自分を見栄っ張りで、強がりで、本当は極度の寂しがり屋であると自覚した経緯を誰が理解してくれるだろう。

 自分の事は自分でしかわからないし、他人の事などもっとわからない。

 そもそも自分以外の他人の気持ちなど糞くらえとすら思っているわけで、


 そういった捻くれた人間であるからして、私の事を理解してくれる人はほとんどいなかった、と言うよりも真の意味で私を理解してくれる人などいるはずがない。

 そもそも他人や親、友達、恋人、仕事仲間にすら本当の自分を見せずに過ごしているのに誰かが理解してくれるなんて希望を持つのは間違っている。


 私は期待していたのだ。

 こんな私を受け入れて、理解して、見返りもなく愛してくれる誰かが現れることを。


 ラノベのヒロインも、恋愛映画のヒロインも、どんな小説だって必ず起きる運命的な、奇跡的な何かを現実世界に期待していたのだ。

 そんな有りもしない空想をずっと思いながら生きて、間違い続け、自分の人生をドラマか小説に置き換えて生きている。


 私の人生に起承転結があるのであれば、まだ『起』すら始まってもいない。だから冷静に考えれば何か人生と言う物語が進むわけでも、アッと驚く何かが起こるわけでもない、ましてや終わりなど到底来ない。


 ここまで読んでくれた人たちは何となく想像がつくだろう。そう、私は『中二病』を患っている、もっと言えば『ピーターパン症候群』とも言える。

 ずっと昔から私は自分ではない違うどこかを見ているのだ。

 初めに言った

『この世に生れ落ちてきたこと』

 これが意味するのは母が折角腹を痛めて苦しい思いをしてまで生んだ私と言う出来損ないを卑下しての意味だ、無論、本人はそんなこと到底思うわけがないし、私も本人にそう告げたことはない。


 話は変わるが、仮に明日自分が死ぬとわかっていたら何をしたいと思う?

 大体は今までお世話になった人に感謝をとか、大好きな人と一緒にいるとか、今までやれなかった事を最後の時までやりきる、とかそんなもんだろう。

 私はきっとそのすべてをしても満足することはないし、きっと後悔をする。

 何ならこの先もずっと後悔をし続けると思う。誰かに褒められても、大好きな人に愛しているといわれても、友達と笑いあってもきっと私の心が満足することはないだろう。


 ふと考えたことがある、自分は幸せになりたいのか、それとも不幸せになりたいのか。結局答えは出なかったが一つ思った、私は自分が正しいと思ったことをしたいと。誰に何を言われ批判されても、最低だ、クズだ、価値がないと罵られても。

 誰かに理解されたいのではない、私と言う下らない人間がいると理解してくれさえすればそれで満足なのだ。

 それ以上は望まないし、望んでもない。


 黒歴史は何かと聞かれれば、私自身だ。

 ここで一つ言っておくと、別に私は自分の事を嫌いなわけではない。

 むしろ大好きで、愛しているといっても過言ではない。


 だから私はこの先も黒歴史を生産し続ける、見栄っ張りで、強がりで、本当は極度の寂しがり屋で、中二病で、ピーターパン症候群を患う、どうしようもなく最低で、クズで、価値がない自分をひたすらに愛しながら。


その中で少しでも私に共感をして同情なんてしようものならこう言うと決めている。


『一緒にするな糞野郎』と。

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どうしよもなくクズで最低で価値のない僕。 傷美 @kizunomikata

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