5.ラストオーダー/前編



 世界一優しいパパとママだった。多分ね。

 思い出補正とか色々かかってそうと言われても、小さい頃の記憶なんだからいいことしか覚えてなくて当たり前と言われても、それでもボクにとっては世界一のパパとママだった。

 片手で掴み切れる量の思い出しかないけど、それでも一番大切な思い出に変わりはない。

 そんな世界一最高なパパとママは、ボクが小学生の頃に死んじゃった。

 よく覚えてないけど、なんだか調べてみても親戚とかお祖母ちゃんに当たる人とかが軒並みいないんだって、お葬式にやってきた役所の人に教えてもらった。

 だから財産は全部ボクの元に残るらしい。

 でもボクの面倒を見てくれる人は誰もいないらしい。

 あんなに幸せだったあったかい家が、その日からがらんとした冷たい家になっちゃった。


 もちろん寂しかった。

 クラスでは割と友達が多い方だと思ってたけど、親身になってくれる友達がひとりもいないことに気付いてから「ボクって実はぼっち属? もしくは嫌われてる?」と知った。

 とりあえずしばらくはパパ達の見様見真似をして、家を綺麗にしてくれる人を呼んだりご飯を届けてもらったりとかして何とか暮らしてた。

 そこで大人っていうのは結構優しいものだと知ってびっくりした。

 家に来る人にボクの状況を話すと皆「こんな小さい子がひとりで!?」って大体ビックリして、色々教えてくれたりオマケをつけてくれたりする。

 その度にボクは色んな人にお礼を言った。


 でもやっぱり夜になるとボクは独りぼっちになってしまうので、何か出来ることはないかなぁと考えた末、夜と言えばパパとママがお仕事をする時間だったというのをやっと思い出した。

 だから次は、パパとママの仕事を手伝うことにした。

 もう二人は帰ってこないけど、仕事をしないとお金がもらえなくて生活が出来ないってパパも言ってたし。

 だから天国のパパとママにボクだってお手伝い出来るし自分のお金は自分で稼げるんだぞ、だから安心してねと言うようにこれもまた見様見真似で仕事を始めてみた。

 二人の仕事はたまに隣で見ていたからどんなことをしていたかはなんとなくわかっていた。

 二人が使っていたパソコンを起動して、色んなモノをあっちから買ったらこっちに売って、コレが欲しいという人を見つけたらそれを見つけて用意してあげる。

 でも今時売れるのって、高級なものとかよりも少しの人だけが知っているような噂とかじゃない? とボクはSNSを見ながら思ったワケ。

 そこで物から情報へ売り買いするものを変えてみて、いくつかこなしてみたらうんと稼げるようになったし、ボクにはこっちの方が合ってたみたい。

 正直高級品とか限定品とかの良さってわからなかったし、新作っていうラベルが付いたものの方が興味沸いたしね。


 それからしばらくはお昼は学校、夜は在宅ワークという生活を続けていたある時。

 お得意様からの紹介で、ある人が「リリィ」という女性の居場所を知りたいという仕事の依頼が来た。

 こういうのは人探しのジャンルとしてたまにボクの元に舞い込んでくる仕事だ。

 どうしてその情報が欲しいかという質問は禁止してあって、どんな事情であっても等しく情報の売り買いをされるのがこの世界の暗黙のルール。

 とはいえボクだってパパとママから引き継いだこの仕事にはプライドがあるので、自分の仕事には責任を持っていたワケ。

 だから仕事が終わった後に、裏でこっそりと何があったかをチェックしていた。


 「リリィ」という女性の居場所調査は簡単だった。

 この辺りにいるはずという情報は貰っていたので、近場に知り合いがいないかと調べるとゲーム仲間のひとりであるコウイチという年上の友達がそこにいると判明した。

 世間話のつもりでこの女の人を知らないかと聞いてみると、なんと驚き。

 コウイチがちょうど今ナンパを成功させて一緒にいるとのこと。

 相変わらずの女好きだなぁとモニターの前で呆れながら、ボクはコウイチたちの現在位置を聞いてそれを元の依頼主まで伝達する。

 少しすると依頼料としていくらかお金が振り込まれて、その一部を謝礼としてコウイチにゲームマネーとして支払っておいた。

 一体どんな用事だったんだろうと気になりつつも、今すぐ追跡してこの依頼主とリリィさんの間に何があったかを探るのは流石に危険なので、一晩おいておくことにする。

 前に急ぎ過ぎてバレそうになったので、流石のボクもそこらへんは学んでいるのだ。




 でも、この情報は売ってはいけなかった。

 次の日の朝、依頼主の動向とかリリィさんがいた辺りの情報を虱潰しに調べていくと、リリィさんの始末を完了したという情報を見つけてしまった。

 そう、ボクが昨日の夜リリィさんの居場所を教えなければ、この人が死ぬことはなかったのだ。

 ボクの扱った情報をもとに人が死ぬことなんて、今まで一度も起きなかった。

 でもそれはたまたまボクがついていただけであって、そもそもストーカーとか何らかの恨みを抱いている人間なら、ボクらから買える情報なんて喉から手が出るほど欲しいものじゃないかと、そこで初めて気が付いた。

 正直なところ、そこまで考えていなかったんだ。

 ボクはちっぽけな、バカな子供なんだと思い知らされた。

 パパとママと同じ仕事をボクはしたかっただけなのに、二人から引き継いだ仕事でとんでもないことをしてしまった。

 どうしよう、もしかしたらボクって逮捕される?

 いや、そもそもこんなアングラな仕事をしてる時点で警察のお世話になるのは確定している。

 ただそうはならないように気を付けながら、幸運にも今までバレていなかっただけ。

 人が死んでしまったことにショックを受けて、その日の学校は休むことにした。

 そしてボクは、学校を休んだその時間を使ってそのリリィさんについて調べることにした。

 でも何故か中々情報が出てこない。

 というかそもそもリリィなんて本名なわけがない。

 ならボクと同じような世界に生きる人? と調べ続けた結果、ボクは見つけた。


 ある孤児院出身の女性、リリィ。本名は安居院あぐい有梨ゆり。現職は殺し屋。

 里親がひとりいるらしくて、この人も殺し屋。多分この人の影響で殺し屋になったのかなと思った。

 更に調べると同じ施設から一緒に拾われた兄と姉がいることもわかった。

 兄のトウマと姉のアリス。二人とももちろんこれは仕事上の偽名。

 孤児院にいる頃から長い間ずっと一緒にいたみたいで、里親の人が良い人だったらしく学校に通ってた経歴もあるみたいだった。

 殺し屋にも良い人っているんだなと驚いた。

 そうして一通り調べ上げたボクは、真っ先に償わなきゃと思った。


 大事な家族がいたのに、血が繋がってなくても家族は家族だもの。

 そんな大切な、代えの利かない家族をボクが奪ってしまった。

 きっと残されたお兄さんとお姉さんは、真実を知ったらボクを恨むだろう。

 それはもちろん当たり前のことで、ボクは恨まれても仕方がないことをしてしまったんだ。

 独りぼっちなボクと違って、この人たちには家族がいた。

 それを壊してしまった。

 謝っても、お金を払っても、許されるようなことじゃない。

 どうしよう、何とかしてボクはこの人たちに何かしなきゃいけないと思った。

 許されたいわけじゃない。

 ただ、こんなことをしてしまったボクを叱ってくれる人がいないから……。 

 だったらボクがボク自身を戒めなければいけない。

 どうしよう、どうすればいい?


「…………あ」


 考え抜いた末、これしかないという答えを見つけてしまった。

 ボクを殺してもらえばいいんだ、と。

 ただ死ぬだけでは意味がない、ボクがリリィさんを死なせてしまった元凶であることを明かして、そして復讐すべき相手がボクだとわかったうえで、それで殺してもらおう。

 別に死にたいわけじゃないけど、それ以外の方法がボクには思いつかなかった。

 どうせボクが死んでも誰も悲しまない。

 それに天国に行けばパパとママが待っていてくれる。

 そりゃ殺されるなんて痛そうだし、考えただけでもちょっとやだなぁ~って思うけど、その気持ちよりもボクはこのアリスさんたちになんとしてでも償いたい気持ちが強かった。


 家族を失う痛みは、ボクが一番よく知っているのだから。


 もしボクを殺したところでも気が晴れないと言われたら、この人たちが望むことをしようと思う。

 お金が欲しいならパパとママが遺してくれた財産があるし、代わりに働けと言われたら……出来る限り頑張る。

 自信ないけど。

 そうと決まればこの人たち、殺し屋さんたちにコンタクトを取ろう。

 リリィさんの家族であるこの人たちに殺してもらわないと意味が無いから、何とか窓口を見つけて、殺しの依頼を引き受けてもらえるようにしよう。


「でも、ボクの自己満足で依頼を受けてもらうわけだから。パパとママのお金は使いたくないな……あ、そうだ!」


 SNSを頻繁にやっているクラスメートから、よく一緒に写真に写ってくれと頼まれることがここ最近多かった。

 なんでもボクが映ってるとフォロワーからの反応が良いらしくって、ボクってそんな風なんだなぁと思っていたのだ。


「人を死なせちゃったブローカーの仕事じゃもう稼げないし、だったらボクが自分を使ってお金を稼いで、それで殺し屋さんに依頼すればいいんだ! 綺麗なお金だし、きっと受け取ってもらえるはず! あでも、殺し屋ってめちゃくちゃお金かかるんだっけ……」


 映画でよく見る殺し屋の依頼相場をなんとなくイメージして、それじゃあ出来るだけ稼ごうとボクはその日決意した。

 とりあえず今なら配信者が一番稼げるだろうし、一旦機材費はパパとママから借りて……いくらか溜まったら返すねと天国の二人に囁く。

 それから配信者としての活動を始めると、あっという間に数字が膨らんで思ってたよりも早くにお金がたくさん集まった。

 その代わりに信者みたいなファンのひとり、シバリエって奴がボクのことを隅々まで調べてたみたいで「あの女が死んだのはあなたのせいじゃないですよ」って個人DMまで送ってきたけど、何勝手に人のこと調べてんだって話。

 ボクのプライベートまで見せるつもりはないってーの、ってね。


 と、そんなわけで目標額まで稼げたボクは早速アリスさんを探した。

 ボクの持つありとあらゆるコネクションを使って、依頼完遂率100%という大人気殺し屋さんに何とか殺しのお願いを送ることが出来た。

 ま、ボクを殺してもらうついでに一枚噛んだコウイチと人殺しなんて気にするななんていうシバリエの殺しも依頼しちゃったけど。

 正直この二人は色んな人に迷惑をかけてるし、ボクが殺すのと同じようなものなんだから、死に際に二人増えたくらいで何ともないだろう。

 そうしてしばらく返事を待って、やっとボクの頑張りが届いたのか、アリスさんはまずは会って話を聞きましょうって! 返事をくれた!

 ここにくるまで三年かかっちゃったけど、ボクは一時たりとも自分の罪を忘れたことはありません。

 人を殺すのは悪いこと、そんなのちっちゃな子供だってわかることだもの。


「アリスさん、妹さんを死なせてしまってごめんなさい……。ボク、お金も命も払って償うから。だから」


 許してなんて言わない。

 でも、少しでも妹さんの死が晴れたら、ボクは嬉しい。

 妹さんの仇をとって、笑顔でお墓参りをしてあげて。


 ボクは待ち合わせのコーヒーチェーン店に入る前に天国のパパとママにどうか上手くいきますようにとお願いをして、アリスさんの姿を探した。



 #



「というわけでボクは無事にこのエモいシチュエーションに漕ぎついたというワケ。どう? ボクのこと殺してくれる気になった?」


 姫崎が笑顔でそう尋ねるも、拳銃のリロードをしたきり動かなくなってしまったアリスからの返事はなかった。

 アリスは顔を蒼くするばかりで全く銃口をこちらに向けてくれない。

 やっと自分が妹の死の元凶であり、復讐相手だと明かしたというのにどうして嬉しそうにしてくれないんだと姫崎はむくれる。


「ねぇ~オネーさ~~~ん。どうしたの? ここでボクのこと撃ち殺しちゃったら死体が出てマズイとか考えてる? 大丈夫だよ、ボクちゃんとそれっぽい遺書も部屋に置いてきたし、外で死んでるシバリエもボクが殺したって遺書に書いたからさ~」

「……そういうことじゃないのよ」

「じゃあ何? どうしたらボクのことを殺してくれるの?」


 顔を上げようとしないアリスの小さな声を聞き逃さず、姫崎は改めて彼女に迫った。


「ボクを殺せばこの仕事はお終い。ボクとの契約は無事完了だし、うざったいままごとも終わりなんだよ? 嬉しくないの? 妹さんの仇だよボク」

「……」

「依頼料だってほら、ちゃんと先払いのルールは守ってるからオネーさんの口座に振り込まれてるのもさっき見せたでしょ? 現金払いは時代遅れらしいし、それこそ受け取ってもらえなきゃボクを殺してもらえないだろうから先手を打ったわけだけど」

「……」

「んねぇ~~~~オネーさ~~~ん。返事してよ~~~~」


 姫崎はすっかりいつもの調子だった。

 この数日アリスと共に過ごしていた飄々とした、少しお調子者のような、普通の女子高生のような、いつもの調子。

 その調子で「ボクを殺して」とアリスへ請う。


「……それじゃあ聞くけど」

「! はいはい何でも聞いて!」

「どうしてあなたは、そんなに私に殺されたがってるの?」

「言ったじゃん、それがボクなりの償い、ボクにしか出来ない償い。妹さんが死んじゃったのあんなに気にしてたんだから、喜んで殺してくれると思ってたのに」


 アリスからの問いに姫崎はキョトンとして答えた。

 ひとつひとつの質問をしっかりと刻むように、アリスは呼吸を整えていく。


「その様子だと、死ぬことなんて怖くないってことかしら」

「ううん、それは流石にないよ。痛いのヤだし、怖いし……けどオネーさんのためならどんとこい」

「……つまり、最初からこの予定だったってことね」

「もちろん!」

「雇った殺し屋と仲良しこよしして、最後には全部なかったようにじゃあ殺してくれって……いかれてるわ。今まで見たことない」


 アリスは力なく苦笑した。

 とんでもないクライアントを引き当ててしまったと、今知ったところでもう遅いが。


「だったら最初から伝えてくれればよかったじゃない。一番最初の顔合わせの時、一人目以外の素性はわからないなんて大嘘吐いて」

「だって悪い人だって伝わんないと殺してくれないかな~って思ったし……それに」

「……何」

「オネーさんのこと一目見た時、あ好きかもって思ったから……」

「……」


 頬を赤らめてもじもじとしている姫崎を、アリスは冷ややかな目で睨む。


「だから咄嗟にボディーガードもしてって、お願いしちゃった♪」

「どうりでボディーガードの必要性が皆無だと感じたわけね。セキュリティ万全の区域に家をかまえながら何を言ってるんだと思ったけど」

「んでもオネーさんの手作りご飯食べられたし~、朝も早めに起こしてくれるし~、お願いしたらお風呂上りにドライヤーもかけてくれたし~」

「本当に悪趣味なままごとだったわね。家族ごっこはもう満足?」


 この数日の出来事を指折り数える姫崎にアリスは冷めた言葉を突き刺した。

 その言葉を受けて、姫崎は満面の笑みを浮かべる。


「うん! ボクは楽しかったよ! オネーさんは楽しかった?」

「……二度と御免よ」


 アリスは怒りの表情で姫崎をなじる。

 その反応を見てやっとやる気になってくれた、と姫崎は喜んだ。

 反対にその様子を見て、あぁやっぱり彼女は普通じゃないんだな……とアリスは呆れてため息を漏らすしかない。


「じゃあ、ボクを殺して! ささっ、バーンと!」

「……殺さないわよ」

「どうして?」


 アリスの否定の言葉を遮るように、重たい言葉が姫崎の口から飛び出る。


「どうしてボクがこんなにお願いしてるのに殺してくれないの? じゃあ何をしたらオネーさんの気は晴れる? どうしたら妹さんの死を償えるの? ボクなんて死んだところで誰も悲しまないんだし、明日明後日くらいまでネットニュースに上がるだけで少ししたら皆も忘れちゃうような、そんなもんなんだよ? それとも、まさかボクに情が沸いちゃった?」

「……なんだ、あなたも怒ることなんてあるのね」

「ボクも自分にびっくりしてるよ、生まれて初めて。こんなに腹の底が熱くなるの」


 突然スイッチが入ったように姫崎がまくしたてるのをアリスは感心して聞いていた。

 てっきり何に対しても怒りが沸かない人間なのではと思っていたが、ちゃんと姫崎にも怒りという感情は備わっているらしい。

 その事実を微笑ましく受け止めながら、それでもアリスは首を横に振る。


「どれだけあなたが怒ろうと、どれだけ大金を積もうと、あなたは殺さないわ。……殺せないわ」

「クライアントからの依頼でも?」

「言ったでしょう? 『依頼を完全に引き受けると決めたわけじゃない。詳しい依頼内容を改めて、あなたの口から聞くために私はここに来た』って」


 二人が初めて顔合わせをした時、アリスは間違いなくそう口にした。


「でも依頼費は振り込み済み、返金不可だけど?」

「返金不可なんてそちらの都合でしょう。後で返しておくから大事に使いなさい、こんなことに使わないで」

「どうしてボクを殺してくれないの!? ボクは人を殺したのに!!」


 遂に限界を迎えた姫崎は教卓を叩いて声を荒げる。

 しかしアリスはそれに一切動揺することもなく、眉をひそめてまっすぐ姫崎を見つめた。


「答えは簡単。私の妹、リリィは死んでいないから」


 しんと静まり返る教室に、「は?」という姫崎の気の抜けた声が響く。

 何の躊躇いもなくさもわかっていたかのように放たれたアリスの言葉を、姫崎は聞き間違いではないかと自分の耳を疑った。


「……え、何? 今オネーさん、なんて」

「リリィは死んでいない。三年前に私たち家族のもとに届いた死亡報告は嘘よ」

「……え、ちょっと……よくわかんないんだけど、え? でもボクは自分で妹さんが殺されたってやり取りしてる人たちのログ見たし、オネーさんだって言ってたじゃん。全部過去形で、もう死んでるけどって感じで」

「ひとつ大人として忠告しておくわ、乃々」


 混乱する姫崎を諭すように、アリスは少し言葉を溜めてから言い放つ。


「あなた、殺し屋を舐めすぎよ」


 思ってもいなかったことをアリスから聞かされ、姫崎の脳内に積み上げられていたパズルは全て崩壊していた。

 それを組み直すことはひとりでは到底出来そうにない。

 どうにかしてくれ、どうにか説明してくれと、言葉無く縋ってくる姫崎を見て、アリスは説明を続ける。


「リリィの死に関する情報は全て嘘、あの子は今も生きている。だからあなたが人を殺したなんて事実は存在しないし、償うべく罪なんて初めから存在していないのよ」

「……ボクは、人を殺してない?」

「そう、だからあなたは裁かれなくていい。本当に裁かれるべきなのは」


 私。

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