第17話 希望の手紙
黄泉達はベアルピス村から隠れ家に向かう洞窟の途中で黄泉の家と遭遇する。
抜け道の途中に家がはまっているとは思ってもみなかった。
「すいません、誰かこの柵を壊してくれませんか?」
俺はナードベア達に中を家の傷つけずに柵だけ壊してもらうようにお願いする。
「わかりました。でもなんでこんなところに家が?」
「理由は後で説明しますんで。今は隠れ家に行くのを優先しましょう!」
不思議そうな顔をするナードベア達。
説明の必要はあると思うが、今その話をするのは長くなると思い、俺は家を通り抜けて早く隠れ家にナードベアを連れて行くことが先だと言う。
ナードベア達は俺の言葉に納得し、ファイヤーボールで柵を破壊する。そして俺は落ちてた石を使って窓ガラスを叩き割る。ガラスの破片に気をつけてもらいながらナードベア達に家の中に入るよう指示する。
持っている
だがナードベア達は俺の家の物が珍しかったのか、急がならばならない状況下であるというのに家の中をゆっくりと見学していた。
あれはなんですか?これはなんです?と質問をしてくるナードベア達に急ぐよう言うと1人のナードベアが俺に大事なことを教えてくれた。
「ヨミさん!」
「いや、今は急いでください」
「ヨミさんへと書いてある紙が」
「!?」
「ヴァルドランよりとありますが?」
「どこです!それどこですか!!」
俺はナードベアの言葉を聞き、直ぐに玄関から自室に戻った。するとちゃぶ台の上に自分の物ではない封筒が1つ置いてあったのだ。
俺はそれを手に取り確認すると、確かに『黄泉へ、ヴァルドランより』と書いてある。
多分これが能力がわかるようにしておくと転生前に言われていた物だろう。
俺が読める字をナードベアも読めるのには驚いたがお陰で助かった。これがあればサンタナ達を救う手立てがまだあるもしれない。
黄泉は手紙をポケットに入れ、再度ナードベア達を連れて隠れ家へと向かう。
玄関を抜け、洞窟から外に出る。
ナードベア達の誘導の元、森の中を走り抜け、黄泉達はナードベアの隠れ家の前に到着する。
ベアルピス村から洞窟を抜けるまで約5分、そして洞窟から隠れ家までが約7、8分ぐらい。
ここはミーナと初めて会った川の上流にある滝壺だと俺は教えられる。
「え……マジで?」
それを聞いてかなり驚いた。
何時間も探し求めていた水辺が実は7、8分ほど走ったところにあったのだ。
「俺……数時間も歩き回って何してたんだろ」
俺は自分のダメダメさにげんなりしてしまう。
しかし今はそんな時ではないと思い、俺は滝の裏にあるナードベアの隠れ家にみな入り終えたのを見届けて、再度ベアルピス村に戻ることにする。
「お兄ちゃん!お父さん達を助けて!!」
「うん。みんなでここに帰ってくるよ!」
可愛い子の頼みは死んでも守らないと。
俺はミーナに無事帰ってくると約束して洞窟へと向かう。
「頼むぞヴァルドラン。ナックルベアとかすぐやっつけれるような良い能力にしててくれよー」
黄泉はポケットからヴァルドランからもらった封筒を取り出し、走りながらその中に入っていた手紙を読むことにした。
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