第7話 異世界到着?
神達と話し終わった俺は、ローグが持って来た自分の家に入る。
「もう話すことはないかー?たまには連絡するんじゃぞー」
「ないですよ。危ないから離れて下さいよ」
家の外から窓を覗き込んで話しかけてくるローグ。電車で帰省する時に見送りするおじいちゃんみたいなことをする神様だな。
そうだな……たまには連絡入れてもいいな。なんだかんだ言って俺が異世界に行けることになったのもローグが俺を選んでくれたおかげだし。
加護持ちの俺は教会に飾られてるヴァルドランの石像に触れれば神様達とコンタクトできるらしいから、旅をするのか、どっかで生活してるのか分からないけどたまには近況報告するのもいいな。
ありがとう、ローグ。
「じゃあ、行ってきます」
宙を浮かぶ俺の家。ローグとヴァルドランに見送られ、この広い銀河の中の小さな惑星、地球に向かって転移していくのだった。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あれ?おかしいな?
俺は部屋の中にいたはずだ。なのに辺りは真っ暗で何も見えない。
何も見えない中、手探りで周りを確かめてみる。
椅子……机……リモコン……漫画本……。
そこにあるのは確かに家の中にあったものである。
ああ、電気消えてんのか……あれ?つかない。
ブレーカー、ブレーカー…………あった!あれ?ブレーカーでもない。
そういえば外も真っ暗だな。
俺は玄関扉を開け、そして遠くに見える光に向かって歩く。
水滴が
「ここが………新しい世界」
目の前には数え切れないぐらいの木々がそびえ立つ。後ろには俺を見下ろす高い岩の壁がずらり。そしてそこに開く真っ暗な穴.........
………………
「………絶対電気つかないよねーーーーーーー!!!」
俺の叫びは空高く舞う。
ああ、俺は気づいてしまった。異世界転生の初日、俺の快適だった家は暗い洞窟の奥底にただはまっているだけになっているのだと。電気がつくわけもない。だって洞窟だもん。絶対電気走ってない。
この洞窟から俺の異世界転生はスタートするのかよ。でも……うん、異世界で最初にやることは決まったな。
「あの白髪じじい!絶対文句言ってやる!!」
異世界生活エピソード1、『ローグに文句言いに行く』がここから始まる。
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