音楽が居場所
シンシア
第1話
住宅の内見。
住宅を自分の居場所だと仮定する。
あなたは自分の居場所というものを考えた時に欠かせない要素があるだろうか。
私は音楽だ。
これを失くしてしまったら自分を括り付ける何かがなくなってしまう。
そんな気がするのだ。
好きな音楽を見つけると一生それを聴き続けるかもしれない。
案外直ぐに忘れて手放すかもしれない。
時々思い出しては忘れてを繰り返すかもしれない。
出会いもそれぞれ。
誰かに勧められたり、ふと街中で聴こえてきたり、広告だったり、自分で見つけに行ったり。
これは内見です。
物語に触れるとそこの世界へ入り込んだ気分になるのです。
異世界ものを読めばその瞬間から私の世界に魔法や不思議で溢れ出し、SFものを読めば機械化された街並みや荒廃した週末世界になるのです。
登場人物に自分の気持ちを映し出して一緒に体験をしたり、時にはそこの壁として見守ったりと、物語に触れている瞬間だけは何者にもなれるのです。
これは小説に限った話ではありません。
絵も音楽も像も全ての創作物に当てはまります。
これらのものはこの世界に平然と存在していて、もしかしたら初めての出会いでは無いかもしれません。
あの時はただの陳列棚と同化していたものが今ではそれをしっかりと確認できる。
私の大好きな歌詞を借りるとこう言えます。
『誰かにとってのBGMが誰かにとってのGPS』
(ハンブレッダーズ──DANCING IN THE ROOMより引用)
街中に流れる誰しもが聞き流してしまう曲に、自分はそこに居場所を見出したように嬉しくなる。
コンビニの店内放送を推しが担当した時。
大好きなバンドのコマーシャル。
世間の大多数が眉をひそめたとしても、自分だけは凄く嬉しい。
いつもは聞き流して見逃してしまうものも、その時だけは輝いてみえる。
そこには大好きな何かがあるからです。
こういう居場所がたくさんあればあるほどよいと思うのです。
好きなもので両手がいっぱいになったって両足があります。
それでもいっぱいならリュックサックにでも詰め込みます。
何か酷く悩んでいる時は、創作の世界に触れてみるとそこに、答えに紛う何かがあるかもしれません。
私達の居場所は一つではないです。
まずは見学から初めてみませんか。
音楽が居場所 シンシア @syndy_ataru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
はこ、箱、hako。/シンシア
★9 エッセイ・ノンフィクション 連載中 4話
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます