第22話 気になるだろ。何があるのか

「でも気になるだろ。何があるのか」


 帰り支度の終わった俺は、とりあえず話が終わるまではと思い、椅子に腰掛けた。机を挟んで向かい合う形になった上野は、俺の問いかけに元気よく「はい」と即答した。


「僕だったら、多分見かけてすぐに覗き込みます」

「だろうな」


 苦笑してしまったが、嘲笑してるわけでも呆れているわけでもない。俺も人のことを言えないからだ。一度経験しなければ、多分誰だって同じ行動を取る。


「今だったら絶対に覗いてなんかやらないが、その時の俺も何があるのか気になって気になって仕方がなかった」

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