第4話 報告書

報告書 No.1102844

県立矢間手高等学校 オカルト同好会 作成者 上野恭介

分類1:都市伝説 分類2:匿名者による部室ポストへの投函・発信者特定不可能の噂

内容:学校の北西に位置する特定のT字路にあるカーブミラーに関する噂。

午後6時45分にそのカーブミラーを覗くと「何か」が映る。

例1. 自転車に乗った両手の長い老婆

例2. 河童顔の老人と子供

例3. 頭の長い僧侶らしき人物

それまで確かに「居なかったモノ」がカーブミラーに写り、それと実際に目が合うと追いかけてくる。

スピードは映ったモノに依存する。

追いつかれた場合に起こる現象については複数報告されているが、何れも「死ぬ」や「一生付きまとわれる」、「発狂する」などの似通った現象である為割愛する。

接触可能な当事者:なし

当事者詳細:どの噂の当事者も「友人の弟の後輩」や「先輩の友達」などの接触できない前提の他称であるため、接触可能な当事者はなし。

当否:現地訪問にて確認。

実行日:●●年●●月●●日(火)

証明者:1-C 上野恭介(部員)

同行者:あり【2-A 神田雅弘 (部外者)】

詳細:投函に従い、午後六時四十分頃該当路地へ到着。周囲を確認するも、その時点で異変は見られず。

 四十三分頃、同行者神田雅弘に遭遇。状況を説明し、同行許可を貰う。

 四十五分を過ぎてもカーブミラーに変化は見られず、五十分になり帰宅しようとした所、異変が発生。

 異臭と共に、カーブミラー全体を覆うように人面が映る。同行者神田雅弘に促され避難したため、実物を視認してはいない。

 最寄りのコンビニエンスストアまで走って避難する。

 避難中、暫く唸り声のようなものが聞こえ、何者かが追ってくる気配があったが、コンビニ到着前に消失している。

 また、逃走中タイミングは不明だが、背中に鋭い爪で引っ掻かれたような傷ができていた。神田、上野両名に発生。傷の画像を添付する。


 霊を見ることが出来るという同行者の神田にカーブミラーの詳細を確認したところ、現れたのは幽霊ではないとの証言を得た。幽霊ではなく、獣に近い存在であるとのこと。こちらが完全に姿を視認し、存在が確定した場合、どこまでも追ってきて害をなすモノである可能性が高い。

 神田はカーブミラーの怪異と、20年ほど前に取り壊された該当地の石碑に関係があるのではないかと考察した。石碑の詳細については現在も調査中である。


 その後、カーブミラーの噂自体は定期的に部内で共有されるものの、調査前同様「友人の友人」や「後輩の弟」などの接触できない前提の他称であるため、いまだに接触可能な当事者はない。

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