第4話 混沌ゾクゾク

私は中二の秋からB塾に通っている。

駅の近くにあり、辺境にある中学からはバスで通っている。

中学の近くにも塾は何個かあるのでそっちに通っている子が多く、うちの中学でB塾の、あの教室の生徒は私だけだ。

寂しそう、って思うじゃん?

全くよ。

模試の成績で三段階にクラスが分かれていて、今私は一番上のクラスにいるんだけど、混沌を極めていて最高だ。

模試の点数は教室内ランキング載るぐらい良いのに、学校で態度悪すぎて成績表に2がある美優みゆうちゃんとか。

音質と軍事とVチューバーのヲタクである宮村みやむらくんとか。

真冬でも短パンとかいう小学生のノリを中三までひきづってる鹿野しかのくんとか。

その暑さを相殺するレベルの、寒いダジャレが止まらない智有金次ちありきんじ(自ら名乗るぜチキン)くんとか。

基盤を求めてアキバに向かう須田野すだのくんとか。

マッドサイエンティスト味が隠し切れていない紅葉もみじちゃんとか。

喉に子安さん飼ってる麻王あさおくんとか。

まだまだいるけどここで一旦終わるとしよう。上げ始めるとキリがないよ。

この協調性のかけらもなさそうな人間たちが、『受験に合格する』という一つの目標を達成するために集まっている。

なんかゾクゾクするよね。



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