漫画家Xの罪
Xの野球漫画『Z』には、見覚えのあるコマが数多く登場する。水島漫画の愛読者なら一目瞭然だろう。『あぶさん』をはじめとする多くの水島漫画から、そっくりそのまま引き写したようなコマなのだ。
今の言葉で言えば、トレースになる。水島漫画と酷似した構図、バッティングフォーム、ピッチングフォームが次々と出てくるので、まるで悪夢のようだった。
野球漫画『Z』の主人公が代打男であることは、すでに述べた。彼のバッティングフォームは、『あぶさん』の一コマだったり、他の水島漫画の一コマであったりした。第1話ではバットが折れてしまいグリップエンドで打つのだが、これは『ドカベン』の山田太郎と同じである。
『Z』第3話に登場する投手Aは『野球狂の詩』のキャラクター,阪神・力道玄馬と体型が酷似していた。しかも、投球フォームや高笑いの描写まで同じだ。右でも左でも投げられるスイッチピッチャーという設定も、『ドカベン』に登場した木下次郎と同じである。
『Z』第5話でフューチャーされる外野手Bはホーム球場の風やグラウンドの特徴を知り抜いたキャラクターなのだが、そのエピソードは『野球狂の詩』第38話「どしゃぶり逆転打」に登場した芦田哲と同じである。
『Z』第7話に登場し、第12話でフューチャーされる投手Cは、背の低いアンダースロー(下手投げ)なので、『ドカベン』の里中智にそっくりだった。いや、Cはプロ野球選手なので、同じく小柄のアンダースロー,『野球狂の詩』第31話「ルーキー15歳」の立花薫にそっくりと言った方がいいかもしれない。
『Z』第8話で主人公が逆転打を打つのだが、それは投手の前でバウンドして高々と舞い上がるというもの。これは『野球狂の詩』第40話「怪投玄馬」で力道玄馬が岩田鉄五郎から打ったサヨナラヒットと同じである。
『Z』第17話に登場する捕手Dはホームベース前で外野手からの返球がない振りをしてランナーをだますのだが、このトリックプレーは『一球さん』で巨人学園のランナー堀田が友西高校の野村捕手から仕掛けられたものと同じである。
『Z』第23話に登場する投手Eはサウスポー(左投げ投手)なのだが、その投球フォームは『男どアホウ甲子園』の藤村甲子園にそっくりだし、剛速球投手という設定も同じである。
断わっておくが、これらは、ほんの一部に過ぎない。水島漫画のパクリは『Z』の各話には数多く見られるのだ。一つ一つ挙げだしたら切りがない。まったく同じような構図や同じようなキャラクター、同じようなエピソードが次々と出てくるのだ。
【作者からのお願い】
皆さんの中には、漫画家Xの名前や野球漫画『Z』のタイトルに気づかれた方がおられるかもしれません。しかし、本作はXの行為を告発するために書いたわけではありません。Xの名前とタイトルをコメントで述べることは御遠慮ください。くれぐれもよろしくお願いいたします。
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