13. 日本の「医療制度」の話
私は、「精神障害者」だ。たぶん、軽度の、とは言えない。
「自立支援医療制度」も、利用しはじめてから長い。
【自立支援医療制度】(精神通院医療)
精神疾患(てんかんを含む)のために、通院による医療を継続して受ける必要がある方の、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度を指す。
利用することで、精神科でかかる医療費が原則1割負担になる。
また、世帯の所得に応じて1カ月あたりの自己負担額に上限があり、上限を超える額は支払いが不要になる。
そして、「精神障害者手帳」の取得もしている。
【精神障害者手帳】(精神障害者福祉手帳)
精神障害のため、長期にわたり日常生活や社会生活への制約がある人を対象とした手帳。
更には、「障害年金」の制度も利用しはじめ数年経つ。
【障害年金】
国民年金法、厚生年金保険法等に基づき、疾病又は負傷(傷病)によって、所定の障害の状態になった者に対して支給される公的年金の総称。
私のイメージでの難易度としては。
一般的にも自立支援について知らないひとは多く、しかしこの中では一番取得しやすいかもしれない。
逆に、障害者手帳や障害年金は、知る人は知っていても、誰でも取得しやすいものではない。
しかも、全て「申請」という役所での手続きがある。
(担当医からの診断書も必要)
どれも、知識ある場所(病院など)や役所などでも、具体的に説明をしてくれるはずだ。それに今は、自身で調べようと思えば簡単に情報も出てくるだろう。
なぜ、私は今。こんなことを話すのか。
単純に、「知るべきひとに正しく知ってほしいから」だ。
特に、毎月又は毎週などに診察があるのに、その診察料や薬代を払えない、として受診を諦めようとしているひとには、自立支援医療の話はかなり大きいと思う。普通に払うと、医療費というのはかなりの金額になるわけだし。
そう。何事にもお金がかかる。
実際には、申請には担当医からの診断書だったり、障害年金では「病歴・就労状況申立書」という、本人や家族の方が作成する書類も必要だ。どれも気軽に足を踏み入れられるような簡単な話でもない。
ただ、かなり前に。
お金に困り、通院が難しいと言っていた人に自立支援医療制度のことを話した。そこから、その人も調べた上で申請をし認められたと、その人に感謝されたことがある。その時に感じたのだ。
「当事者」でも、知らないことは多い。
心療内科の受付でこちらからその制度について尋ねれば、あっさりと説明をくれる。けれど、聞かなければ説明はされなかった気がする。
ただ、手帳や年金の制度のほうは特に、悪用されないためにもより審査が厳しいと聞く。
知ることとは、吸収力だと思う。
話すことは、そのお裾分けであり、時に実物のない剣や盾でもあると思う。
誰かの話を吸収して、それをまた誰かに吸収させる。
時には、剣のような言葉で傷をえぐられることもある。吸収しようとして、盾に跳ね退けられることもあるかもしれない。
それでも。
言葉には、言葉でしか救えないものがあるのだと、思いたい。
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