12. 悩むことも、 止まることも、下がることも、全部前に進むための準備だから

 私たちは、常に歩ける生き物ではない。

 調子が良ければ走ることもあるだろう。けれど走ることで、疲れが倍増することもある。

 

 誰かが言う。

「立ち止まるな、歩き続けろ」

 また、誰かが言う。

「これ以上、歩けはしない」

 そして、また誰かが。

「もう、まるで前には進めていない」


 どれが「正しい」でも「間違い」でもないと、思う。

 どんなペースでも、歩けるのは良い。

 歩けないというのなら、止まって休めば良い。

 前に進めなくても、そこに在れるなら、それで良い。


 私たちの足では、ずっと走れる者はいない。必ずペースが遅くなったり、立ち止まったり、ちょっと考えて、後ろに戻ることもある。


 なにかに悩み、止まり、下がること。

 それらも全て、「準備」とも言える。

 全部が、「次の一歩」のための準備だ。

 その「一歩」こそ、大きな力だと思う。


 だから、良いのだ。動きたくても動けない朝もある。そうしたらゆっくりと、白湯でも飲んで体のほうを目覚めさせてみよう。

 眠りたいのに眠れない夜もある。そんな夜は、温かいミルクやココアでも飲んで、気持ちを落ち着けよう。

 

 ――なにも、無駄になりはしないのだから。

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